標高2483m。 日光連山の中でも、女峰山は静かに構えている。 霧降高原から見上げると、稜線が白く光っている。 あの頂まで行けるのか、という不安と、行かなければという衝動。 その両方が同時にやってくる山だ。
女峰山のおすすめスポット
女峰山登山口(霧降高原)|1445段の階段が、始まりでも終わりでもない
霧降高原の駐車場に着いたのは朝5時半。
まだ暗い。
気温はマイナス8度だ。
有名な1445段の天空回廊を登り始める。
足元が凍っている。
アイゼンをつけていなかったことを後悔した。
階段が終わると、そこから先が本番だ。
登山道は樹林帯を抜け、しだいに岩場になる。
風が強くなる。
体感温度がどんどん下がっていく。
冬の女峰山は、甘く見てはいけない山だ。
でも、だからこそ来た。
ほかの季節とは明らかに違う景色がある。
モノクロに近い世界の中に、青空だけが鮮やかだ。
霧降高原の無料駐車場は70台ほど。
冬季は早朝に満車になることはほぼない。
むしろ、自分以外に誰もいないことの方が多い。
それが少し怖くて、少し好きだ。
女峰山山頂(標高2483m)|風の音しかしない場所に、立った
山頂に着いたのは出発から約5時間後。
10時40分だ。
風速はおそらく15m以上。
立っているのがやっとの状況だ。
それでも360度の展望は、圧倒的だ。
北西に男体山。
東に筑波山。
晴れていれば富士山も見える。
この日は薄く、かろうじて見える。
山頂の祠は雪に半分埋まっている。
誰かが置いた古いコインが、凍りついている。
ここまで来た人間だけが見る光景だ。
休憩できる時間は10分が限界だ。
体が冷える速度が、平地の比ではない。
カップ麺を食べようとしたが、湯が冷めるのが早すぎた。
それでも、うまかった。
冬の登山は往復で8〜10時間を見ておくべきだ。
日が短いので、遅くとも5時には出発したい。
ヘッドライトは必須。
アイゼン・ピッケルも必須だ。
日光湯元温泉|山を下りた体に、硫黄の湯が染み込んでいく
下山後に直行したのは日光湯元温泉だ。
女峰山からは車で約40分。
硫黄の匂いが駐車場まで漂ってくる。
この匂いで、生き返る気がした。
湯元温泉は奥日光の標高1478mにある。
源泉かけ流しで、湯温は高め。
冷えきった体には少し熱すぎるくらいがちょうどいい。
日帰り入浴は複数の宿で受け付けている。
料金は800円〜1200円が相場だ。
「湯守釜屋」は小ぢんまりしていて、地元の人も多く使う。
露天風呂から見える雪景色が良かった。
山を登り切った達成感と、湯の温かさが混ざる。
あの感覚は、女峰山を登った日にしか味わえない。
温泉街は小さい。
でも、それがいい。
派手な観光地じゃない。
疲れた体で、静かに座っていられる場所だ。
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女峰山への行き方
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