栃木の山奥に、こんな場所があったのか。 川俣温泉は、日光から車で1時間以上かかる。 道は細く、川沿いの崖をなぞるように続く。 到着したとき、すでに夕暮れが迫っている。 硫黄の匂いが漂い、川の音だけが響いている。 ここには、余計なものが何もない。
川俣温泉のおすすめスポット
川俣温泉 間欠泉|5分に1回、地面が吹き上がる
駐車場から歩いて3分ほど。
小さな案内板に従って進むと、もうもうと湯気が立ち上っている。
川俣温泉の間欠泉だ。
高さは最大で約1.5メートル。
5分おきに、ごぽっという音とともに湯が吹き出す。
地面から温泉が噴き出す瞬間は、正直ちょっと怖い。
自然の力、というよりも地面が生きている感じがした。
冬に来ると、吹き上がった湯が白い霧になって広がる。
マイナス5度の朝、吐く息も湯気も、全部白かった。
観光地然とした整備はされていない。
それがかえって、本物らしい。
柵の外から眺めるだけでも十分迫力がある。
無料で見られるのに、誰も宣伝しないのが不思議なくらいだ。
川俣湖|冬だからこそ見える、静かな湖面
間欠泉から車で5分ほど走ると、川俣湖が現れる。
男鹿川をせき止めてできたダム湖だ。
夏は釣り客で賑わうらしいが、冬は人がほとんどいない。
湖面が灰色に光っている。
山の稜線が水に映り込んで、上下対称になっている。
音がない。
本当に、何も聞こえない。
鳥の声すら届かないくらいの静けさだ。
湖畔に小さな駐車スペースがあり、そこから湖を眺めるだけでいい。
歩道はほぼないが、15分ほど岸沿いを歩いた。
足元は雪と泥が混ざったぬかるみで、ローカットのスニーカーでは後悔する。
長靴か、防水のトレッキングシューズを持っていって正解だ。
冬の川俣湖は、何かを考えるのに向いている場所だ。
川俣温泉 旅館での湯治|夜9時、貸切の露天風呂
川俣温泉の宿に泊まったのは、平日の水曜日だ。
1泊2食付きで約15,000円。
他の客は2組だけで、静かな夕食だ。
目当ては、露天風呂だ。
川沿いに作られた露天は、男女別が夜9時に入れ替わる。
気温はマイナス8度。
脱衣所から外に出た瞬間、全身に冷気が刺さった。
お湯の温度は44度くらい。
川の音を聞きながら、じっと浸かっている。
空には星があった。
見渡す限り、建物の光が一切ない。
川俣温泉の泉質は含硫黄・ナトリウム炭酸水素塩泉。
お湯はとろっとしていて、出た後も体が冷えない。
翌朝6時の内風呂も良かった。
誰もいない浴室で、窓の外に雪が積もった山が見える。
もう1泊したかった、と素直に思った。
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川俣温泉への行き方
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