標高1,470メートル。 そこにお湯が湧いている。 関東でこれほど高い場所にある温泉地は、ほぼない。 冬になると雪が積もり、湯煙が白い空に溶けていく。 その光景を一度見たら、また来たくなる。 日光の奥にある湯元温泉は、そういう場所だ。
標高1470m、関東屈指の高所に湯が湧く。冬には雪が積もり、湯煙が白い空に溶けていく。林間の露天風呂では硫黄の香りと草木の薫りが同居し、野生の鹿が歩く姿に出会うこともある。湯ノ湖の水面に白根山が映る朝の光景は、この奥日光の湯元だけのものだ。湖岸の遊歩道を歩き、樹氷の映える金精峠や日光山輪王寺の大猷院廟へ足を延ばすのもいい。東武日光駅・日光駅からバスで約1時間20分、終バスが17時台と早い点に注意。宿は10軒ほどで週末は早めの予約を。拠点は宇都宮駅だ。
日光湯元温泉のおすすめスポット
湯元温泉源泉地|雪の中に、ぐつぐつと
温泉街の外れに、源泉が湧き出ている場所がある。
柵で囲まれた小さなエリアに、いくつもの穴。
そこからもくもくと湯煙が上がっている。
近づくと硫黄のにおいが鼻をつく。
温度は約75度。
触れたら火傷する。
でも冬の凍えた空気の中で、ただそこに立って眺めているだけで、不思議と体が温かくなってくる。
観光客がほとんどいない朝7時に行った。
雪が積もった源泉地に、湯煙だけが揺れている。
あの静けさは、ほかでは体験できない。
ロープウェイも、ガイドも、何もいらない。
無料で見られる光景が、旅のいちばんの記憶になった。
温泉寺|お湯に入れるお寺という、ありがたさ
お寺でお湯に入れる。
その一文だけで、行く理由になった。
日光山輪王寺の別院である温泉寺は、境内に浴室がある。
拝観料500円を払うと、源泉かけ流しの湯に浸かれる。
浴室は小さい。
脱衣所もせまい。
シャンプーもない。
でも硫黄の白濁湯が、静かにかけ流されている。
4月下旬から11月下旬のみ営業しているので、冬には入れない。
それを知らずに1月に訪れて、門の前で立ち尽くした。
翌年の秋に再訪した。
そのときは平日の午前中に行って、貸し切り状態だ。
お堂の前でお参りしてから入るお湯は、なんとなく効きそうな気がした。
気のせいだけど、そういう気分込みで旅だ。
湯ノ湖|冬、凍った湖のそばにいる時間
温泉街のすぐ隣に、湖がある。
湯ノ湖。
標高1,478メートル。
真冬になると湖面が凍る。
1月に行ったとき、岸近くがうっすら白くなっている。
その向こうに、雪をかぶった山が並んでいた。
湖畔を一周歩いても40分ほど。
トレッキングシューズがあれば、冬でも歩ける。
ただし雪と氷で滑るので、軽アイゼンがあると安心だ。
湖の西側には釣り人が何人かいた。
冬季は一部エリアで穴釣りができるらしい。
声をかけたら「今日はぜんぜん釣れない」と笑っている。
カフェも売店もない。
ベンチがあるだけの湖畔で、ぼんやり水面を見ている。
そういう時間が、旅には必要だ。
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日光湯元温泉への行き方
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