標高2,486m。 日光の空に、ただ垂直に突き立っている。 冬の男体山は、甘くない。 それでも登りたくなる理由が、あの山頂にある。 霧氷に覆われた森を抜けた先、 中禅寺湖が眼下に広がった瞬間—— 息が止まった。寒さじゃなくて、景色に。
男体山のおすすめスポット
二荒山神社|登山は、ここから始まる儀式だ
登山口は、二荒山神社の境内にある。
鳥居をくぐると、受付がある。
登拝料は500円。
ここを通らないと、山に入れない。
お守りを買うかどうか迷った。
結局、買った。
冬の男体山をなめてはいけない、と直感した。
出発は朝6時。
まだ暗かった。
ヘッドライトをつけて、一歩目を踏み出した。
登山口から山頂まで、コースタイムは3〜4時間。
でも冬は違う。
雪と氷で、足が思うように進まない。
アイゼンは必須。
12本爪を持っていってよかった、と心から思った。
社務所のおじさんに「今日は風が強い」と言われた。
その言葉の重さを、5合目で理解した。
森林限界の先|霧氷と無音の世界に、言葉を失った
8合目あたりから、景色が変わった。
木の枝が、白く凍っている。
霧氷だ。
晴れていたのに、木だけが白い。
静かで、奇妙で、美しかった。
カメラを出そうとした。
手がかじかんで、うまく操作できない。
気温はマイナス10度以下だ。
9合目を過ぎると、木がなくなる。
遮るものが、何もない。
風が容赦なくぶつかってくる。
立っているのがやっとだ。
それでも足を止めない。
振り返ると、中禅寺湖が見える。
真冬の湖は、鈍い銀色をしている。
「来てよかった」と思った瞬間がそこにあった。
山頂まで、あと少し。
その「あと少し」が一番きつかった。
男体山山頂|2,486mの冷気と、360度の現実
山頂に着いたのは、10時半だ。
4時間半かかった。
鉄剣が立っている。
雪をまとって、空に向かって突き刺さっている。
これが男体山の山頂、という証明。
奥白根山が見える。
日光連山が、横に並んでいた。
遠くには筑波山のシルエットもあった。
360度、遮るものがない。
ただ、空と山と、冷たい風だけがある。
お湯を沸かした。
カップ麺を食べた。
標高2,486mで食べるカップ麺は、格別だ。
下山を始めたのは11時15分。
山頂には45分しかいられない。
体が冷えてくる前に動かないといけない。
冬山には、のんびりする余裕がない。
それが、冬山だ。
モデルコース
男体山への行き方
HUB CITY
宇都宮(拠点都市)から行ける旅先を見る →