風が、痛い。 それが那須岳の第一印象だ。 標高1915m。冬の那須は容赦がない。 でも、その痛さの先に、見たことのない白い世界が広がっている。 東京から新幹線で約70分。 こんなに近くに、こんなに本気の山があるとは思っていない。
那須岳のおすすめスポット
茶臼岳|白煙と雪と、別の星みたいな頂上
那須ロープウェイで山麓駅から山頂駅まで約4分。
たった4分で、別世界に放り込まれる。
降りた瞬間、顔に雪粒が刺さった。
気温はマイナス10度近く。
でもそれより目を奪われたのは、硫黄の白煙だ。
茶臼岳は今も活火山だ。
岩と雪と煙が混在する光景は、どこか火星っぽい。
「絶景」という言葉が似合わない、もっと生々しい場所だ。
頂上まで徒歩約40分。
風が強い日は本当に体ごと持っていかれそうになる。
実際、途中で引き返す人を何人も見た。
それでも登ってよかった。
頂上から見下ろす那須の町と、白い稜線。
ああ、山ってこういうものだ、と思い出させてくれる場所だ。
牛ヶ首〜姥ヶ平|雪の稜線を、ただ歩く
ロープウェイを使わず、峠の茶屋駐車場から歩くルートがある。
牛ヶ首を経由して姥ヶ平へ向かう、約2〜3時間のコースだ。
ここが、静かでよかった。
茶臼岳山頂付近は風が強くて人も多い。
でもこのルートは、途中から人がぐっと減る。
雪を踏む音だけが聞こえる。
そういう時間が、那須にはあった。
姥ヶ平のひょうたん池は、冬は完全に凍る。
湖面に映るはずの茶臼岳が、氷の下に閉じ込められている。
それはそれで、なんか良かった。
注意点は、冬季は完全に雪山になること。
アイゼン・ピッケル・防寒着は必須。
軽い気持ちで来ると、本当に危ない。
実際、途中で道がわからなくなりかけた。
GPSアプリは必ず入れておくべきだ。
那須温泉 鹿の湯|登山の後、硫黄の湯に沈む
体が冷えきったあとに入る温泉は、反則だ。
那須で山を歩いたなら、鹿の湯は外せない。
1300年以上の歴史がある、那須最古の温泉だ。
でも「歴史ある名湯」とか、そういう感じじゃない。
もっと素朴で、古くて、地元の人が普通に来る場所だ。
料金は大人410円。
脱衣所は質素。
シャワーもない。
お湯に浸かるだけの場所だ。
温度は41度から48度まで、浴槽ごとに分かれている。
46度に入った瞬間、全身が一気に温まった。
雪の中を歩いた足が、じわじわと溶けていくみたいだ。
硫黄の匂いが強い。
服にしっかり残る。
でもそれが、那須に来たという実感だ。
受付は16時まで。
早めに下山して、ここで終わる那須がいい。
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那須岳への行き方
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