凍てつく空気の中、岩肌がむき出しの山が目の前にそびえている。 標高802m、されど侮れない。 鎖場あり、急斜面あり、冬は雪と氷がプラスされる。 それでも登った先の景色が、全部を帳消しにする。 真田の隠し城があったこの山に、冬だからこそ来た。
岩櫃山のおすすめスポット
岩櫃山|鎖を握りしめた先に、群馬の空が広がっている
登山口に着いたのは朝8時。
気温はマイナス3度だ。
平沢登山口から山頂まで、距離は短い。
でも「短い=楽」ではない。
中腹あたりから岩場が始まる。
鎖が何本も垂れていて、両手を使わないと進めない。
冬は岩が凍っていることがある。
アイゼンを持っていって正解だ。
山頂直下の岩場が核心部。
ほぼ垂直に近い岩壁を、鎖一本で登る。
怖い。
でも手を離さなければ大丈夫だと、体が覚えていく。
山頂に出た瞬間、風が吹き抜けた。
360度、遮るものがない。
吾妻川が蛇行しているのが見える。
雪をかぶった山々が連なっている。
言葉が出ない。
ただ、立っている。
所要時間は登り約1時間15分、下り約1時間。
岩櫃城本丸跡|城はもうない。でも、気配はある。
山頂から少し下りたところに、岩櫃城の本丸跡がある。
真田氏の山城だった場所だ。
建物は何も残っていない。
石垣もほとんどない。
ただ、平らな地面と、案内板がある。
なのに、なぜか立ち止まってしまった。
三方を岩壁に囲まれた地形。
ここなら確かに守れる、と思わせる場所だ。
冬の午前中、ここには誰もいない。
枯れ葉が積もったまま、風が通り過ぎた。
500年前も、こんな風が吹いていただ。
岩櫃城は「日本城郭協会」の続日本100名城にも選ばれている。
スタンプは岩櫃山観光案内所で押せる(無料)。
登山しなくても、散策路から本丸跡には行ける。
距離は登山口から往復約2km、40分ほど。
岩櫃山観光案内所|登る前にここに寄ること
平沢登山口のすぐそばに、小さな観光案内所がある。
地元のスタッフが常駐していて、登山前に声をかけた。
「今日の山頂、凍ってますか」
「上の方は凍ってますよ。鎖場は特に」
その一言でアイゼンを装着してから登った。
正直、なければ危なかったと思う箇所があった。
ここには登山マップが無料で置いてある。
コースのルートが細かく書いてあって、初めてでも迷わない。
冬期は駐車場に車中泊している登山者もいた。
早朝から登れば、山頂で誰にも会わないこともある。
静けさを求めるなら平日の朝がいい。
帰りにスタッフに「どうでしたか」と聞かれた。
「鎖、怖かったです」と答えたら笑っている。
「みんなそう言いますよ」と。
モデルコース
岩櫃山への行き方
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