吾妻川沿いに、ひっそりとした温泉地がある。 派手な看板もない。 大きな旅館街もない。 ただ、湯と、山と、冬の静けさだけがある。 敷島温泉は、そういう場所だ。 群馬の温泉地の中でも知る人ぞ知る存在で、初めて訪れたとき、こんな場所がまだあったのか。
敷島温泉のおすすめスポット
敷島温泉 ゆうさい館|白濁した湯が、体の芯まで届いてくる
外観は地味だ。
国道沿いにポツンと立つ施設で、初見では素通りしそうになった。
でも中に入ると、硫黄の匂いがふわっと鼻に来た。
この匂いが好きな人間には、それだけで正解だとわかる。
内湯は小さめで、湯船が2つ。
ぬるめと熱めに分かれていて、ぬるい方は40度前後だ。
長湯向きの温度で、気づいたら30分以上浸かっている。
泉質は含硫黄のナトリウム塩化物泉。
湯の色は季節や天気で変わるらしく、訪れた冬の日は薄く白濁している。
肌に触れたとき、ぬるっとした感触がある。
これが本物の温泉の感触だ。
日帰り入浴は500円。
タオルは持参が必要なので注意してほしい。
朝10時から開いているので、午前中に訪れて、ゆっくり温まるのがおすすめだ。
吾妻川沿いの遊歩道|冬の川べりは、音が違う
温泉から出て、川沿いを歩いた。
観光マップには載っていない、舗装された細い道だ。
冬の吾妻川は、水量が落ち着いていて、流れの音が静かだ。
夏は増水で荒々しくなると地元の人に聞いたが、この季節の川はおとなしく、ただ流れている。
対岸に山が見える。
葉が落ちた木々の間から、岩肌が見えている。
晴れた日には、遠くに雪をかぶった稜線も見える。
そういう景色が、温泉上がりの体に気持ちよかった。
歩いて20分ほどの距離。
特別なものは何もない。
でも、温泉でほぐれた体で川の音を聞きながら歩く時間は、旅の中でいちばん贅沢な時間だ。
スニーカーで歩けるが、冬は路面が凍ることがある。
朝より、陽が上がった10時以降に歩くのが安全だ。
道の駅 くらぶち小栗の里|地元の野菜は、ここで全部そろう
敷島温泉から車で15分ほど走ると、道の駅がある。
規模は小さい。
でも、棚に並ぶものが違った。
訪れたのは12月だったが、大根、白菜、ねぎ、こんにゃく芋と、産直コーナーがにぎわっている。
値段が安い。
大根1本100円を切っている。
ここの名物は、地元産こんにゃく。
群馬はこんにゃくの産地で、ここで売られているこんにゃくは弾力が全然違う。
スーパーのものと比べると、食感が2段階くらい上だ。
試食コーナーで食べた刺身こんにゃくが、そのまま口の中でプルっとした。
しょうが醤油で食べると、それだけで満足できる一品だ。
冬の午後は16時ごろには品薄になってくる。
目当てのものがあるなら、昼過ぎまでに行くのがいい。
温泉のあとに立ち寄って、夕食の食材を買って帰る。
そういう使い方がいちばん気持ちよかった。
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敷島温泉への行き方
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