鳥居をくぐった瞬間、空気が変わった。 杉の木が空を遮って、ひんやりとした暗さがある。 東京から特急で1時間ちょっと。 そんな距離に、これほど深い森があるとは思わない。 日本三大稲荷のひとつと聞いていたけれど、 来るまでその意味がわからない。
笠間稲荷神社のおすすめスポット
笠間稲荷神社|杉木立の奥に、1300年の空気が漂っている
境内に入ると、まず足元が変わる。
石畳が続いて、両脇に杉の巨木が並ぶ。
樹齢400年以上の木が何本もある。
それだけで、もう静かになれた。
拝殿は朱と金の彫刻が細かくて、思わず立ち止まった。
近づいて見ると、欄間に龍と鳥が入り組んでいる。
誰かが「江戸時代の彫刻だよ」と言っている。
確かにそういう重さがあった。
参拝者は思ったより多い。
平日の午前10時でも、ぽつぽつと人が来る。
地元の人が多くて、観光地というより祈りの場という感じがした。
ご利益は縁結びと商売繁盛。
お守りは500円から。
絵馬は600円だ。
本殿の裏に回ると、小さな境内社がいくつもあって、
そっちのほうが静かで好きだ。
胡桃下稲荷|知らなければ通り過ぎていた、奥の院の静けさ
本殿から歩いて5分ほど北に進むと、奥の院がある。
案内板が小さくて、一度通り過ぎた。
着いてみると、空気がまた違う。
人がほとんどいない。
せいぜい2〜3人。
鳥の声だけが聞こえている。
小さな社が苔むした石段の上にある。
石段は15段くらい。
昇り降りするだけで、なぜか息をひそめたくなった。
周りの木がさらに高くて、空が細い。
光が差し込む角度が午前中と午後で全然違うらしく、
「午前中がいい」とあとから地元の人に聞いた。
行ったのは11時頃だったので、ちょうどよかった。
本殿の賑わいとは別の、個人的な静けさがここにはある。
観光で来た人より、何度も来ている人のための場所という感じがした。
もう一度来るなら、ここに長くいたい。
笠間の稲荷寿司|神社の門前で、油揚げの甘さに出会う
笠間稲荷といえば油揚げ。
参道沿いに豆腐屋と油揚げ屋が何軒かある。
昼前から揚げたての匂いがしている。
立ち寄ったのは参道の老舗。
稲荷寿司は1個150円から。
2個買って、境内のベンチで食べた。
甘めの味付けで、酢飯が少し粗めだ。
それがよかった。
笠間は菊の産地でもある。
10月から11月にかけては「笠間の菊まつり」が開かれて、
境内が菊の鉢植えで埋め尽くされる。
期間中は入場料が500円かかるけれど、
その景色を見たくてその時期に来る人も多いらしい。
参道の土産屋も見た目より充実している。
地元の陶芸家が作った器が、気取らない値段で並んでいる。
笠間は焼き物の町でもある。
小皿を1枚買った。1200円だ。
旅で買ったものの中で、いちばん使っている。
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笠間稲荷神社への行き方
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