城跡って、たいてい何も残っていない。 それでも足を運んでしまうのは、その場所に立ちたいからだ。 結城城もそういう場所だ。 土塁と空堀だけが残る小さな跡地に、桜の季節だと300本以上が一斉に咲く。 にぎやかな観光地ではない。 でも、それがいい。
結城城のおすすめスポット
結城城跡|何もないのに、なぜか長居してしまう場所
城らしい建物は何もない。
天守閣も石垣もない。
あるのは土塁と、深く掘られた空堀だけ。
最初に見たとき、正直「これだけか」。
でも不思議と、その場を離れられない。
空堀の深さは場所によって3〜4メートルほど。
中世の城がそのまま眠っている感覚がある。
案内板もそれほど多くない。
自分で想像しながら歩くしかない場所だ。
それが逆に面白い。
観光地として整備されすぎていないから、静かに思索できる。
平日の午前中に訪れたら、誰もいない。
30分ほど、ひとりで土塁の上を歩き続けた。
風が冷たくて、落ち葉の音だけが聞こえる。
そういう時間が、ここにはある。
結城城跡の桜|300本、誰も急かさない春がある
3月下旬から4月上旬、城跡が一変する。
土塁の上にも、堀沿いにも、桜が咲き乱れる。
ソメイヨシノが中心で、約300本。
この規模の桜まつりが、入場無料なのが信じられない。
週末の昼間でも、上野公園のような混雑ではない。
シートを広げてお弁当を食べている地元の家族がいた。
犬を連れて散歩しているおじさんがいた。
観光バスで乗り付けてくる感じではなく、町の人の庭みたいな雰囲気。
それがいい。
桜の見頃は約1週間。
今年は4月2日ごろが満開だ。
夜間のライトアップは19時〜21時ごろまで行われている。
昼間と夜とで、まったく表情が違う。
両方見るなら、近くに宿を取るのがおすすめだ。
結城の城下町歩き|城跡から歩いて行ける、静かな商家の町
城跡を出て、駅方向に歩いてみた。
15分もあれば、旧城下町のエリアに入る。
結城紬で有名な町だけあって、織物関係のお店が点在している。
古い商家の建物がそのまま残っていたりする。
リノベーションカフェとかではなく、本当に現役で使われている建物だ。
お昼は商店街近くの蕎麦屋に入った。
もりそばが700円。
つゆが濃くて、東日本の味だ。
テーブルが3つしかない、小さな店だ。
おばちゃんがひとりで回している。
観光地価格じゃない。
そういう店に入れたことが、なんかよかった。
結城は、食べ歩きや映えスポットを求めて来る場所ではない。
でも、ゆっくり半日かけて歩くと、町の地層みたいなものが見えてくる。
それがこの町の旅の仕方だ。
モデルコース
結城城への行き方
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