霧が出る朝に来てほしい。 茨城の山深くに、ひっそりと羽田山はある。 標高は高くない。 でも、冬の空気はびりっと冷たくて、 稜線の向こうに広がる景色は、思ったより遠くまで見える。 「絶景」という言葉が安っぽく感じるくらい、静かな場所だ。
羽田山のおすすめスポット
羽田山山頂|風が来る前に、静寂がある
登山口から山頂まで、だいたい40分。
きつい急登はない。
でも足元はぬかるんでいることが多いから、
冬はトレッキングシューズ必須。
スニーカーで来た人が途中で引き返している。
山頂に着いたのは午前9時ごろ。
先客はゼロ。
それが、よかった。
北側の視界が開けていて、
遠く筑波山のシルエットが見える。
「あれが筑波山か」と思った瞬間、
妙な感動があった。
冬の空は透明度が違う。
夏には霞んで見えない山並みが、
12月〜2月はくっきりと浮かび上がる。
その時間に、その場所にいる。
ただそれだけのことが、ここでは特別になる。
登山道の霜柱|踏むたびに、音がする
朝8時前に登りはじめた。
気温はマイナス2度。
息が白い。
足元に目を向けると、霜柱がびっしりと立っている。
高さ3〜5センチはある。
ザクッと踏むたびに音がして、
それがやけに気持ちよかった。
山の中はほぼ無音。
風もない。
鳥の声すらしない時間帯がある。
その静けさの中で霜柱を踏む音だけが響く。
なんだか、時間がゆっくりになる感覚。
冬の低山は、派手な景色よりも
こういう細かい発見のほうが多い気がする。
凍った水たまり、白く粉を吹いた木の幹、
枯れ葉の隙間に残った雪のかけら。
カメラを持っていくなら、
マクロレンズかスマホのポートレートモードがおすすめ。
足元を撮り続けていたら、
山頂に着くのが遅くなった。
下山後の那珂市周辺|体が冷えたら、ここへ
下山後、体が芯から冷えている。
車に戻っても、しばらく指先の感覚が戻らない。
近くの道の駅か食堂で温かいものを食べるのが、
冬の羽田山のお決まりのコース。
車で20〜30分走ると那珂市の市街地に出る。
そこに昔ながらの食堂がいくつかある。
ランチは11時半〜13時の間に行くのがベスト。
地元の人でいっぱいになる。
豚汁定食が600〜800円程度。
ボリュームがあって、体が一気に温まる。
山の帰り道に寄る「なんでもない食堂」が、
意外と旅の記憶に残ったりする。
羽田山もそうだ。
大げさな絶景じゃなくて、
冷えた体に染みる豚汁の記憶。
そういう旅だ。
モデルコース
羽田山への行き方
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