鳥居をくぐった瞬間、空気が変わる。 東京から特急で約80分。 そんなに遠くないのに、まるで別の時間軸に入り込んだような感覚があった。 樹齢数百年の杉並木が続く参道。 足元は苔むした石畳。 日常の音が、どこかに消えていく。 神話の時代から続くこの場所に、なぜか「呼ばれた」気がした。
鹿島神宮のおすすめスポット
鹿島神宮 参道|杉の巨木が、頭上で手を繋いでいる
本殿に向かう前に、まずこの参道で立ち止まった。
両脇に並ぶ杉の木、樹高は30メートルを超えるものもある。
見上げると、枝が空を覆い尽くしている。
朝9時台に訪れたのは正解だ。
人が少なく、静寂がちゃんとそこにあった。
砂利を踏む音だけが響く。
参道の長さは約500メートル。
ゆっくり歩いて10分ほどだけど、急ぐ気にはなれない。
むしろ何度も立ち止まった。
苔の緑と、杉の茶褐色と、朝の光が混ざり合う瞬間がある。
カメラを向けながら、これは写真に収まらないと悟った。
空気ごと持って帰れたらよかった。
鹿島神宮 本殿・奥宮|2000年分の重さが、そこにある
本殿は1619年、徳川秀忠が造営したもの。
400年以上前に建てられたのに、細部の彫刻が息をしているみたいだ。
圧巻だったのは、奥宮への道。
本殿の奥に続く薄暗い参道を進むと、さらに静かになる。
鳥の声さえ遠くなる感じがした。
奥宮に辿り着いたとき、正直ゾクっとした。
怖いとかではない。
ただ、何か大きなものの前に立っている感覚。
参拝客は本殿より少なく、ここで手を合わせている人たちは皆、表情が違った。
静かで、でもどこか満たされているような顔をしている。
拝観料は無料。
お守りの種類も豊富で、20種類以上は並んでいた。
「勝守」が特に人気で、午前中には売り切れることもあるらしい。
鹿島神宮 御手洗池|地面の下から、冷たい水が湧き出している
奥宮からさらに石段を下りると、突然、池が現れた。
これが御手洗池(みたらしいけ)。
水の透明度が異常だ。
深さがあるのに、底まで見える。
水温は年間通して約14度。
夏に来れば、この冷たさが余計に際立つはず。
1日に約40万リットルの湧水があるとか。
毎年1月に「禊祓い」が行われる場所でもある。
地元の人たちがずっと守ってきた水だということが、伝わってくる。
池の脇に小さな茶屋があった。
「湧き水珈琲」が500円。
頼んでみたら、水のせいなのか、妙にまろやかだ。
木漏れ日が水面に落ちて、キラキラ揺れている。
ここだけ、時間がゆっくり流れている。
しばらく動けない。
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鹿島神宮への行き方
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