雪が降り積もった夜、ランプが灯る。 大正ロマンの木造旅館が川沿いに並んで、湯気が白くたちのぼる。 そんな光景が、山形の山奥に本当に存在する。 銀山温泉に着いたのは夕方5時過ぎ。 駐車場から歩き始めた瞬間、時代が変わった感覚がした。
銀山温泉のおすすめスポット
能登屋旅館|100年前の木造建築に、ただ泊まるだけでいい
大正末期に建てられた木造5階建て。
外観を見上げると、首が痛くなる。
それくらい、圧がある。
チェックインは15時から。
靴を脱いで、軋む廊下を歩くと、もうそこだけで十分な気がしてくる。
部屋は川向きをリクエストした。
窓を開けると、対岸の旅館の灯りが水面に映っている。
夜9時ごろが一番きれいだと、仲居さんが教えてくれた。
温泉は硫酸塩泉。
ぬるっとした感触が肌に残る。
貸し切り風呂が3つあって、空いていれば無料で使える。
夜中2時に入ったら、誰もいない。
朝食は7時半から。
山形牛の朴葉焼きが出てきて、思わず声が出た。
食べ終わって、また川を見た。
雪がまた降り始めている。
白銀の滝|川沿いを歩いた先に、凍りかけの滝があった
旅館街から銀山川沿いを上流に向かって歩く。
距離にして約15分。
かつての銀山の坑道跡が残る道を、ざくざくと進む。
冬は足元が凍っているので、滑り止めのアタッチメントを持っていくべきだ。
持っていかなかったことを、3回くらい後悔した。
滝に着いたのは朝9時ごろ。
高さ約22メートルの白銀の滝が、半分凍りついている。
轟音と沈黙が同時にある。
そういう場所だ。
他に観光客は2人しかいない。
滝の前で10分くらい、ただ立っている。
何かを考えていたわけじゃない。
ただ、見ている。
帰り道、坑道跡に残る木の柱を触ってみた。
びっくりするくらい、固かった。
銀山川沿い散策|夜7時、雪とランプと、観光客がいなくなる時間
銀山温泉の本番は、夜だ。
日帰り客が帰る夕方6時以降、空気が変わる。
旅館のランプが川面に溶けて、雪がしんしんと積もっていく。
観光パンフレットで見た景色が、そこにあった。
ただ、実際に歩くと気づくことがある。
川沿いの道は片側300メートルほどしかない。
往復しても10分で終わる。
それで十分だ。
旅館の前のベンチに座って、30分くらい何もしない。
雪の音は聞こえない。
でも、確かに降っている。
そういう時間が、ここにはある。
翌朝7時ごろも歩いた。
雪がまた積もっていて、昨日と全然違う顔をしている。
同じ場所なのに、また来たい。
泊まっているのに、そう思った。
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銀山温泉への行き方
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