雲の上に出た瞬間、息が止まった。 ロープウェイの窓の外、白い世界が広がっている。 八甲田山は、青森市内から車で40分ほどの場所にある。 なのに、そこにあるのは別の星の景色だ。 冬は樹氷、春は湿原の新緑。 季節ごとに全く違う顔を見せてくる山に、何度でも引き戻される。
八甲田山のおすすめスポット
八甲田ロープウェイ|雲を突き抜けた先に、モンスターたちが待っている
1月の朝8時、山麓駅に着いた時点で気温はマイナス12度だ。
ロープウェイは約10分で山頂公園駅まで上がる。
標高差は650m。
乗り込んだ瞬間は普通の曇り空だったのに、中腹で雲に突入した。
ゴンドラの外が真っ白になる。
何も見えない。
そしてある瞬間、ぱっと視界が開けた。
樹氷だ。
スノーモンスターと呼ばれる理由が、すぐわかった。
アオモリトドマツが雪と氷をまとって、巨大な生き物のように立ち並んでいる。
言葉で説明しようとするたびに、なにかが足りない気がする。
山頂公園駅には展望台と売店がある。
ホットのリンゴジュースが300円。
体が芯から冷えているから、それが異様にうまかった。
ロープウェイの始発は9時。
冬の週末は混む。
8時半には並んでいた方がいい。
往復で2,100円。
山頂の体感温度はマイナス20度を超えることもある。
防寒は本気でやること。
田代平湿原|誰もいない朝の湿原で、風の音だけが聞こえる
6月の早朝6時に着いた。
駐車場には1台も車がない。
田代平湿原は八甲田山の東側に広がる高層湿原だ。
標高は約800m。
木道が整備されていて、長靴なしで歩ける。
入場料は無料。
歩き始めると、すぐにワタスゲが目に入った。
白い綿毛が風に揺れている。
その向こうに、残雪をかぶった八甲田の山並みが見える。
誰もいない湿原に立つと、音の少なさに気づく。
風と、遠くで鳴く鳥の声だけ。
都市の「静かさ」とは種類が違う。
木道は一周約1.5km。
30〜40分あれば回れる。
ゆっくり歩いたら1時間かかった。
途中のベンチに座って、ただぼーっとしていた時間がいちばんよかった。
7月にはニッコウキスゲが咲く。
黄色い花が湿原を埋め尽くす景色は、またまったく別物だ。
梅雨明け直後が狙い目だ。
睡蓮沼|5月のあの朝、沼は鏡だ
睡蓮沼に着いたのは朝7時。
駐車場から歩いて1分もかからない。
そんな場所に、あの景色があった。
沼は静かだ。
風がない。
水面に八甲田の山々が完全に映り込んでいた。
逆さ八甲田。
写真で見たことがある景色だったのに、実際に目の前にすると足が動かなくなった。
睡蓮の花が咲くのは7月から8月にかけて。
5月に行ったから花はまだない。
でも残雪と新緑と、あの鏡のような水面があれば十分だ。
沼の周りに木道はない。
岸辺が少し泥っぽい場所もある。
汚れてもいい靴で来ること。
国道103号線沿いにある。
十和田湖方面からのドライブルートに組み込みやすい。
早朝の無風時が断然いい。
10時を過ぎると風が出てきて、水面が揺れ始めた。
あの静けさは、早起きした人へのご褒美だ。
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八甲田山への行き方
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