フェリーの時刻表を調べたとき、1日2便しかないことに気づいた。 そのとき、ここへ行く覚悟が決まった。 宇和島から南へ約1時間。 日振島は、そういう島だ。 観光地化されていない。 スマホの電波も弱い。 でも、海の青さは本物だ。
日振島のおすすめスポット
日振島港|島の時間は、ここから始まる
フェリーが着いたのは午前10時すぎ。
港に降りた瞬間、潮の匂いがした。
強くて、少し生臭くて、でもそれが気持ちよかった。
港には漁船が数隻。
観光客らしい人は、自分たち以外にいない。
待合所は古くて小さい。
ベンチに地元のおじさんが座っている。
ここに来る人は、みんな目的を持っている。
ダイビング目的のグループ。
釣りだけのために来た老夫婦。
それぞれが静かにここに来ている。
フェリーは1日2便。
宇和島発が8時20分と14時00分。
逃したら、その日は帰れない。
そのプレッシャーが、島にいる時間を濃くする。
港の売店は基本的にない。
島内に自販機は数台あるが、補充は不定期。
食料と飲料は宇和島で調達していくべきだ。
それを知らずに来たのは失敗だ。
日振島のダイビングスポット|水中で、言葉がなくなった
潜ったのは島の南側。
ガイドの田中さんに連れられて、エントリーしたのは午前11時ごろ。
水温は25度。
透明度は20メートル以上あった。
「今日はいいほうです」と田中さんが言っている。
沈んでいくと、光が変わった。
水面の光が、揺れながら差し込んでいた。
そこにメジナの群れがいた。
数百匹はいた。
根付きのソフトコーラルが密集している。
ウミウシも何種類も見た。
ここが愛媛だということを忘れた。
1本目のダイブは約45分。
エキジットしたとき、誰も喋らない。
しばらくそのままでいた。
島のダイビングショップは1〜2軒のみ。
事前予約は必須。
シーズンは5月〜10月が中心。
ファンダイブは1ボート1万5,000円前後が目安。
Cカードがないと潜れないので注意。
漁村集落|生活の匂いが、まだちゃんとある
港から歩いて10分ほど。
島唯一の集落がある。
細い路地。
石垣。
どこかの家から味噌汁の匂いがした。
人口は約100人。
かつては鰹漁で栄えたと聞いた。
平安時代、藤原純友が拠点にしたという記録も残っている。
1,000年以上前から人が暮らしてきた島だ。
集落を歩いていたら、おばあさんに声をかけられた。
「どこから来たの?」
大阪から来たと言うと、驚いた顔をしている。
「わざわざここまで」
そう言ってみかんを1個くれた。
お堂があった。
古い木造の建物。
扉が少し開いていて、線香の匂いがした。
島には小学校もある。
校舎の前を通ったとき、子どもの声がした。
それがなぜか、胸に来た。
集落には飲食店はほぼない。
民宿が1〜2軒あり、宿泊者は夕食をそこでとれる。
日帰りなら食事は持参が基本。
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日振島への行き方
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