宮崎空港から車で1時間ちょっと。 日向に着いたとき、まず風の匂いが変わった。 潮の香りに混じって、なにか青くて鋭いものがある。 ここは神話の国の端っこで、太平洋が崖にぶつかり続けている場所だ。 観光地っぽさがほとんどない。 それがよかった。
日向のおすすめスポット
馬ヶ背|崖の縁に立ったとき、足がすくんだ
駐車場から歩いて10分ほど。
最初は普通の遊歩道だ。
木々の間を抜けると、急に視界が開く。
高さ70メートルの柱状節理の断崖。
日本でも最大級と言われているが、数字より実物のほうがずっと怖い。
足元の岩が垂直に割れていて、その先は太平洋だ。
波の音が下から響いてくる。
ゴウゴウというより、ドォンという感じ。
展望台の柵は細い。
身を乗り出す気にはなれない。
怖いのに、目が離せない。
そういう場所だ。
晴れた日の午前中がいい。
光が崖の縦縞に差し込んで、岩の色が青みがかった黒になる。
その色を見るためだけでも来る価値がある。
願いが叶うクルスの海|「叶」という字を探して、しばらく動けない
馬ヶ背から車で5分もかからない。
そのわりに知名度が低くて、人が少ない。
海岸の岩が「叶」という字に見える、という場所だ。
「口」と「十」が自然に刻まれている。
最初は半信半疑で近づいた。
展望台から見下ろした瞬間、「あ、本当だ」と声が出た。
人が作ったわけじゃない。
波と時間が岩を削って、たまたまそうなった。
そこが妙に胸に刺さる。
地元では昔から「お告げの岩」と呼ばれていたらしい。
願いを書いた絵馬を結んでいく人もいる。
観光地として整備されすぎていないのがいい。
柵も看板もシンプル。
海の音だけが聞こえる。
曇りの日に訪れたが、逆に岩の輪郭がくっきり見える。
「叶」の字を見つけたとき、なぜかほっとした。
日向岬|ここが神話の果てだ、と思った
日向岬は馬ヶ背とクルスの海の両方を含む岬全体の名前だ。
でも岬の先端まで行くと、また別の景色がある。
遊歩道を歩いた。
ひとりだ。
風が強くて、帽子を押さえながら歩いた。
岬の先端に出ると、水平線が180度広がる。
左も右も海。
日向灘の青さは、どこか緊張感がある。
穏やかじゃない、というか、力がある。
天照大神の孫がここに降り立った、という神話がある。
「天孫降臨」の舞台のひとつだ。
そう聞くと、この景色に少し納得がいく。
神話を生み出すには、それだけの場所が必要だ。
夕方に訪れると、水平線が橙色に染まる。
16時以降がおすすめだ。
人がほぼいなくなるので、一人で海を見ていられる。
それが贅沢だ。
モデルコース
日向への行き方
HUB CITY
宮崎(拠点都市)から行ける旅先を見る →