東北新幹線で一ノ関駅を降りると、空気が変わる。 都会の乾いた風とは違う、湿った緑の匂い。 川が街の近くにある場所は、どこかゆっくり時間が流れる。 渓谷が2つ、温泉が点在し、歴史の重さが石畳に染み込んでいる町。 派手さはない。でもなぜか、また来たくなる。
東北新幹線で一ノ関駅を降りると、空気が変わる。都会の乾いた風とは違う、湿った緑の匂い。川が街の近くにある場所は、どこかゆっくり時間が流れる。渓谷が2つ、温泉が点在し、歴史の重さが石畳に染み込んでいる町。派手さはない。でもなぜか、また来たくなる。猊鼻渓の舟下りは週末・紅葉期に混む。予約は電話が確実。厳美渓の空飛ぶ団子は天候で休業することがある。行く前に確認した方がいい。もち料理は一関市内の食堂でランチでも食べられる。観光地価格じゃないのがいい。
一関のおすすめスポット
厳美渓|空飛ぶ団子が、本当に飛んでくる
一ノ関駅からバスで約20分。
磐井川が削り出した岩の造形は、想像より荒々しかった。
穏やかな観光地を想像していたら、全然違う。
岩が剥き出しで、水音がうるさいくらい大きい。
そして名物の「空飛ぶ団子」。
対岸の茶屋に木の板でお金を置いてカンカンと叩くと、
かごに乗った団子がロープで飛んでくる仕組みだ。
値段は600円。
かごが川を渡ってくる瞬間、思わず笑った。
バカバカしいとか言えない、あの愉快さ。
団子はずんだと醤油の2本セット。
岩の上に腰を下ろして食べた。
甘さは控えめで、するっと食べ終わってしまった。
もう1セット頼めばよかったと、今でも少し後悔している。
遊歩道を30分ほど歩くと、渓谷の全体像が見えてくる。
紅葉の季節は特にすごいらしい。
緑の時期でも十分だったから、紅葉期は覚悟が必要だ。
猊鼻渓|舟に乗って、石灰岩の壁に圧倒される
猊鼻渓に行くなら、絶対に舟下りをしてほしい。
JR大船渡線の猊鼻渓駅から歩いて5分、乗船場に着く。
料金は大人1,800円。
所要時間は往復で約90分。
竿一本で操る船頭さんが、静かな川を進んでいく。
両岸に迫る石灰岩の断崖は、高いところで50メートル近くある。
川幅が狭くなるたびに、壁がじわじわと近づいてくる感覚。
閉所恐怖症の人は少しきついだ。
折り返し地点に「げいび追分」という民謡がある。
船頭さんが歌い出した瞬間、声が岩壁に反響して、
川全体に広がった。
とっさにスマホを構えたが、途中で下ろした。
これは録ってどうにかなるものじゃないと思ったから。
運賃に含まれている「福石投げ」も侮れない。
岩の穴に小石を入れると願いが叶うというやつだ。
3投してようやく1回入った。
妙に達成感があった。
一関温泉郷|渓谷の後は、黙って湯に浸かる
厳美渓から車で10〜15分ほどの範囲に、温泉宿が点在している。
「一関温泉郷」と総称されているが、
実際にはいくつかのエリアに分かれている。
泊まったのは須川温泉に向かう途中にある一軒宿。
泉質はナトリウム・カルシウム塩化物泉。
無色透明で、肌にとろみがある。
渓谷を歩いた後の疲れた足には、じんわりとよく効いた。
夕食は岩手の食材が中心。
南部鉄器の小鍋が出てきた。
あの重い鉄器で食べる料理は、ただ熱いだけじゃなく、
何か根拠のない安心感がある。
一関は「もち食文化」の町でもある。
朝食にもちが出てきた。
ずんだ・くるみ・納豆の3種。
朝からもちを食べる習慣が、この土地には今でも根づいている。
観光のためじゃなく、生活の中にある食文化というのが、
食べてみてわかった。
日帰り入浴を受け付けている宿も多い。
渓谷めぐりの帰りに立ち寄るだけでも、十分に価値がある。
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