石巻に来るたびに、この街が持つ重さを感じる。 震災から時間が経っても、ここには忘れてはいけない何かが残っている。 でも同時に、漫画と海と魚の匂いが混ざった、妙に活気のある空気もある。 そのちぐはぐさが、石巻という街の正直な姿だ。
石巻のおすすめスポット
石ノ森萬画館|川の上に浮かぶ、ちょっとおかしな円盤
旧北上川の中州に立っている。
銀色の円盤みたいな建物で、最初に見たとき思わず笑った。
なんだこれ、と。
石ノ森章太郎の出身地に作られた施設で、仮面ライダーやサイボーグ009のオリジナル原画が並んでいる。
ガラスケースの中の生原稿を見ていると、ペンの跡がちゃんと見える。
印刷じゃない、あの線の生々しさに少し驚いた。
館内は2〜3時間あればゆっくり見られる。
子どもより大人のほうが静かに熱中している場所だ。
平日の午前中は空いていて、ゆっくり見られた。
建物の外壁にはキャラクターのモニュメントがある。
川沿いで写真を撮ると、背景が絵になる。
ここだけ、石巻の時間がちょっとズレている感じがした。
日和山公園|坂を上った先で、言葉をなくした
石巻の市街地から徒歩で15分くらい。
思ったより急な坂で、息が上がる。
頂上からは旧北上川と石巻の市街地が一望できる。
晴れた日には牡鹿半島まで見える。
ただ、ここで知っておいてほしいことがある。
日和山は東日本大震災のとき、多くの人が高台へ避難してきた場所だ。
そこから自分の家が流されるのを見ていた人がいた。
公園内にある鹿島御児神社の境内は静かで、参拝者がぽつぽつ来ている。
春は桜が咲いて、地元の人がお弁当を広げる場所でもある。
きれいな景色と、重い歴史が同じ場所にある。
そのことを知った上で、ここに立ってほしい。
5分でも、10分でも、ただ見ていてほしい場所だ。
石巻漁港直売所|朝8時、すでに勝負は始まっている
朝早く行くほどいい。
8時に着いたときにはすでに人が来ていて、発泡スチロールの箱が次々と運ばれている。
その日に揚がったカレイ、タコ、ホタテ。
値段が手書きで、相場がわからなくても安いとわかった。
タコのまるごと一匹が1,000円ちょっとで売っていて、地元のおばちゃんが迷わず買っている。
魚の匂いと潮の匂いが混ざった空気の中で、売り手と買い手が普通に会話している。
観光地ではなく、生活の場だ。
ウニやカキの瓶詰めも並んでいて、それをお土産に買った。
冷蔵で持ち帰れるように保冷剤を貸してくれた。
石巻で何を食べたか聞かれたら、ここで買ってホテルで食べたカキのことを答える。
それくらい、シンプルにおいしかった。