那覇から車で30分も走れば、景色が変わる。 リゾートの華やかさが消えて、静けさだけが残る。 糸満は、沖縄の戦争を正面から受け止めてきた町だ。 海は青くて、市場はにぎやかで、でも空気のどこかに重さがある。 それを知ったうえで来ると、見えるものが全然違う。
糸満のおすすめスポット
平和祈念公園|風が吹くたびに、名前が読まれる気がした
公園の入口から、まず広さに驚く。
東京ドーム約40個分。
それが全部、慰霊のための場所だ。
平和の礎(いしじ)と呼ばれる石碑が並ぶ一帯を歩いた。
刻まれた名前は24万人以上。
国籍も、軍人も民間人も関係なく、ここに刻まれている。
足を止めて、石を触った。
ざらざらした感触と、夏の日差しの熱さだけが残る。
展望台からは東シナ海が一望できる。
きれいな海だ。
だからこそ、ここで何があったのか、頭から離れない。
平和祈念堂の中も入った。
人が少ない時間帯を選ぶなら、午前9時前がいい。
観光バスが来る前の静けさの中で、向き合える。
魂魄の塔|サトウキビ畑の中に、突然現れる
カーナビ通りに進むと、急に道が細くなる。
サトウキビ畑が左右に続いて、本当にここでいいのかと不安になる。
そこに、塔があった。
魂魄の塔は、沖縄戦後に地元の住民たちが建てた。
遺骨を集めて、最初に作られた慰霊塔のひとつだ。
1946年建立。
GHQの占領下で、住民たちが自分たちの手で建てた。
観光地化されていない。
案内板も少ない。
駐車場も2〜3台分しかない。
でも、だからこそ本物の場所だ。
花が供えてあった。
誰かが、今日もここに来た証拠だ。
線香の匂いが、風に混じってた。
平和祈念公園と合わせて訪れてほしい。
車で10分もかからない。
この2か所をセットで回ると、戦後沖縄の文脈が少しだけ見えてくる。
糸満漁港|朝5時の市場で、沖縄の朝が始まる
早起きして、正解だ。
午前5時の糸満漁港は、もう動いている。
毎週日曜日に開かれる「糸満市場(いとまん市場)」。
地元の漁師や農家が直接持ち込む朝市だ。
グルクン、タコ、もずく、島野菜。
値段は安い。
顔が見える買い物ができる。
観光客より地元の人が多い。
おばあが普通に話しかけてきた。
「どこから来た?」「これ食べてみれ」
もらったイカが甘かった。
漁港自体は毎日開いている。
早朝の競り見学は事前確認が必要だが、港の雰囲気だけなら朝6時頃が一番おもしろい。
漁船がゆっくり戻ってくる時間帯だ。
近くに「糸満ハーレー」という伝統行事がある。
旧暦5月4日(毎年6月ごろ)に開催される爬龍船(はりゅうせん)のレース。
数百年続く漁師の祭りだ。
この時期に合わせて来ると、別の糸満を見られる。
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糸満への行き方
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