東京から特急で約2時間。 そこにあるのは、派手さのない、本物の海だ。 鴨川は、リゾートっぽさとは無縁の場所だ。 潮の匂い、磯の音、段々畑の静けさ。 そういうものが、ちゃんと残っている。 「また来たい」と思う町が、ここにあった。
鴨川のおすすめスポット
鴨川シーワールド|シャチと目が合った、あの5秒間が忘れられない
正直、水族館をなめている。
どこも似たようなものだろう。
シャチのショーが始まった瞬間、その考えは吹き飛んだ。
体長5メートル以上のシャチが、プールを縦横無尽に駆ける。
水しぶきが客席まで飛んでくる。
前から5列目は確実にびしょ濡れになる。
夏なら笑えるが、秋は覚悟がいる。
ショーは1日3〜4回。
所要時間は約20分。
その20分のために、入場料2,800円を払う価値がある。
ベルーガ(シロイルカ)のタッチ体験は別料金で1,500円。
ぷにぷにとした感触が、手のひらに残る。
園内は広い。
全部回ると3〜4時間は必要だ。
昼食は園内のレストランより、外に出て地魚を食べる方が断然いい。
城山公園|地元の人しかいない展望台で、鴨川の海を独り占めした
観光客はほとんどいない。
平日の午前中、公園にいたのは散歩中の地元のおじさんだけ。
城山公園は、鴨川城跡に整備された小さな公園だ。
標高は約100メートルほど。
歩いて登ると20分かかる。
頂上からの眺めが、思いのほかよかった。
鴨川の町並みと、その先に広がる太平洋が一望できる。
パンフレットには載っていない景色だ。
桜の季節は地元の人で賑わうらしい。
春に来たら、また違う顔を見せてくれそうだ。
入場は無料。
駐車場もある。
わざわざここを目指す観光客は少ない。
だからこそ、来る意味がある。
海を眺めながら、持参したコーヒーを飲んだ。
それだけで、十分すぎる時間だ。
天津小湊の棚田|千枚田、という言葉では足りない圧倒感
棚田を見に行く、という選択を最初は迷った。
「田んぼでしょ」という気持ちが正直あった。
着いた瞬間、その気持ちは消えた。
斜面を埋め尽くす水田が、段々と海に向かって続いている。
その数、約375枚。
晴れた日は水面に空が映り込む。
早朝6時頃に行くのがいい。
朝霧が棚田の間に漂って、別世界みたいな景色になる。
カメラを持った人たちが、静かに三脚を立てている。
田植えは5月、稲刈りは9月頃。
旬の時期に来るのが正解だ。
近くに産直の無人販売所がある。
米、野菜、みかん。
100円玉を入れる昔ながらのスタイル。
鴨川産のはちみつを買って帰った。
ここに来ると、「食べ物はこういう場所で作られている」と、当たり前のことを改めて思う。