東京から30分。 なのに、着いた瞬間に時代が変わる。 黒光りする蔵の壁、石畳の路地、どこからか漂う醤油と砂糖の甘い匂い。 「小江戸」という言葉を、初めて本気で信じた街だ。 川越は、歩けば歩くほど、奥が深い。
川越のおすすめスポット
蔵造りの街並み|黒い壁の向こうに、江戸が残っている
一番街に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
アスファルトが石畳になって、ビルが蔵に変わる。
そのぶつ切りみたいな時間の切り替わりが、妙にリアルで面白い。
蔵造りの建物が並ぶのは約300メートル。
距離にするとそう長くない。
でも、何度も立ち止まった。
壁の黒さが、ただの塗料じゃない。
漆喰を何層も重ねた「なまこ壁」で、火事に強い構造らしい。
1893年の大火のあと、町人たちが自分たちで再建した。
その意地みたいなものが、130年経った今も壁に残っている気がした。
朝9時前に着いたら、ほぼ人がいない。
蔵と空だけの写真が撮れた。
この街は、早起きした人が得する。
時の鐘が10時に鳴るのを、蔵の前で待った。
あの音は、ちゃんと江戸だ。
菓子屋横丁|昭和どころか、もっと前の匂いがした
蔵造りの街並みから路地を一本入ると、空気がまた変わった。
菓子屋横丁は、幅3メートルもない小道だ。
両側に小さな店が20軒ほど。
カラフルな駄菓子が入った袋が、軒先にぶら下がっている。
芋けんぴ、麦こがし、水飴。
子どもの頃の記憶にある匂いと、知らないはずの懐かしい匂いが混ざってた。
「いもせんべい」を1袋200円で買って、その場で食べた。
薄くてパリパリで、甘くて塩っ気もある。
止まらなくなって、追加でもう1袋買った。
10時を過ぎると修学旅行生が押し寄せてくる。
正直、11時以降はかなり混む。
午前9時台に来て、静かな横丁をゆっくり歩くのが正解だ。
ここは買い食い前提で来たほうがいい。
食べながら歩いて、また別の店を覗く。
その繰り返しで、気づいたら1時間経ってた。
川越城本丸御殿|残ったのは、この部屋だけだ
川越城は、今はほとんど残っていない。
天守もない。石垣もほぼない。
残っているのは、本丸御殿の一部だけだ。
その「一部」が、予想外によかった。
入場料は100円。
安すぎて逆に不安になったけど、中は本物だ。
1848年に建てられた家老詰所には、当時の人が座っていたかのような感覚がある。
廊下を歩くと、板がきしむ。
その音がいい。
展示室には城郭の模型があって、最盛期の川越城がどれだけ広かったかわかる。
今の市街地のほとんどが城域だったらしい。
蔵造りの街並みも、城下町だったわけだ。
見学時間は30分もあれば十分だ。
でも、帰り際に縁側に座って庭を眺めていたら、なんとなく動けなくなった。
静かで、人も少なくて。
菓子屋横丁の賑やかさとは全然違う川越が、ここにはあった。
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