那覇から車で2時間。 そこには、まだ観光地になりきれていない沖縄がある。 喜如嘉(きじょか)という集落を知っている人は少ない。 でも、ここにしかないものが確かにある。 機の音。潮の匂い。100歳近いおじいが畑で笑う光景。 そういうものを、まだここでは見ることができる。
喜如嘉のおすすめスポット
芭蕉布会館|糸一本に、数百年が宿っている
入館料は300円。
それで、どれだけの時間を見ることになるか。
芭蕉布は、バナナに似た植物「糸芭蕉」から糸を取り出して織る布だ。
一反を織り上げるのに、約1年かかるという。
会館に入ると、まず機織りの音が聞こえてくる。
トントン、という一定のリズム。
織り手の女性は、こちらを見ることなく手を動かし続けている。
展示されている着物の値段を見て、目を疑った。
数十万円、というのがざらにある。
でも、見ているうちにわかってくる。
これは布じゃない。誰かの一年だ。
隣の売店に、小さなコースターが3,000円で並んでいた。
迷わず買った。
今も手元にある。使うたびに、あの機の音を思い出す。
平日の午前中に行くと、実際に織っている場面を見られることが多い。
見学は無料の部分もあるので、まず入ってみることをすすめたい。
塩屋湾|何もしない午後が、いちばん贅沢だ
喜如嘉から車で10分ほど南へ走ると、塩屋湾が見えてくる。
「わあ」と声が出た。
リアクションじゃなく、本当に出た。
湾の奥まで入り込んだ静かな海。
エメラルドとも青とも言えない、独特の色をしている。
周囲を山に囲まれているから、風も波もほとんどない。
道沿いに車を停めて、30分ほどそこにいた。
観光客は1台も来ない。
釣りをしているおじさんが一人いただけ。
名護や恩納村のビーチとは全然違う。
にぎやかさも、売店も、フォトスポットの看板もない。
ただ、海がある。
塩屋湾周辺にはウォーキングできる遊歩道も整備されている。
距離は約2km。
早朝に歩くと、もやの中から湾が姿を現す瞬間があった。
その10分のために、もう一度来てもいいと思っている。
特に夕方16時ごろ、山の影が湾に落ちてくる時間帯が美しい。
大宜味の長寿食|100歳のレシピは、派手じゃない
大宜味村はかつて「長寿の里」と呼ばれている。
百寿者(100歳以上の人)の割合が全国トップクラスだった時代がある。
その食事を実際に食べてみたくて、村内の食堂に立ち寄った。
出てきたのは、地味だ。
ゴーヤーのナムル、豆腐よう、大根と昆布の煮物、玄米ご飯。
定食で850円。
派手な味じゃない。
濃くもない。
でも、食べ終わったあとに「重さ」がない。
地元のおばあに聞いたら、「特別なものは食べてない」と笑った。
「畑のもの、海のもの、それだけよ」と。
アダンの新芽の炒め物を初めて食べた。
少し苦くて、少し甘い。
名前も知らなかった植物が、皿の上にあった。
スーパー「大宜味共同売店」には地元の野菜が並ぶ。
朝9時台に行くと品揃えが豊富だ。
シークヮーサーの葉、島野菜、手作りのジューシーの素。
旅の土産はここで選ぶのがいい。
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喜如嘉への行き方
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