熊本市内から車で1時間もかからない。 なのに、着いた瞬間に空気が変わる。 冬の菊池は、静かだ。 観光客でごった返すこともなく、 温泉の湯気だけが白く立ちのぼっている。 渓谷、神社、温泉。 この三つが、ぎゅっと凝縮された町。 派手さはない。でも、なぜかまた来たくなる。
菊池のおすすめスポット
菊池渓谷|冬だからこそ、水の青さが刺さる
正直、冬に渓谷へ行くとは思っていない。
夏の避暑地というイメージが強くて。
でも、1月に足を運んで、考えが変わった。
人がいない。
ほとんど貸し切りに近い状態で、
約4kmの遊歩道を歩ける。
水の透明度が、異常なほど高い。
夏は緑に目を奪われて気づかないだが、
冬は周囲がモノトーンになる分、
水の青と白が際立って見える。
「観音滝」に近づいたとき、
飛沫が顔に当たった。
冷たい。体温が一気に下がる感覚。
でも不思議と、その瞬間がいちばん気持ちよかった。
駐車場から遊歩道入口まで徒歩5分ほど。
足元は滑りやすいので、スニーカーより
トレッキングシューズが正解だ。
所要時間は1時間半あれば十分まわれる。
入場料は大人300円。
菊池神社|南北朝の記憶が、石段の上に残っている
菊池氏という名前を、正直よく知らない。
南北朝時代に後醍醐天皇側について戦った一族。
それくらいの知識で石段を上り始めた。
石段は約100段。
冬の朝、9時前に着いたら誰もいない。
落ち葉が踏まれずに積もったまま。
その上を一人で歩く感覚は、少し異様で、少し心地よかった。
拝殿に着いて、正面から見たとき、
「古い」ではなく「重い」という言葉が浮かんだ。
明治時代の創建だから、そこまで古くはない。
でも、祀られている人たちの時代が重くのしかかってくる。
境内には宝物館もある。
入館料200円で、菊池氏にまつわる甲冑や古文書が見られる。
30分もあれば見終わるが、
ここで予習してから神社を振り返ると、
石段の景色が少し変わって見える。
菊池温泉|夜の湯に、観光客は誰もいない
菊池温泉は「美人の湯」という触れ込みが多い。
そういうコピーは少し疑って入った。
pHは9.2のアルカリ性。
たしかに、湯から上がった肌がぬるっとする。
しっとりというより、コーティングされた感じに近い。
泊まったのは温泉街の宿。
夕食後、21時すぎに露天風呂へ。
外気温は4度くらいだ。
ほぼ独り占めだ。
湯温は42度前後。
冬の夜にこの温度は、ちょうどいい。
顔だけ冷たい風にさらして、
体は熱い湯の中という状態が続く。
長くて40分は動けない。
日帰り入浴できる施設もある。
「菊池市七城温泉ドーム」は大人520円。
温泉街から車で15分ほどかかるが、
地元の人が多くて、観光地感がない。
それが、逆によかった。
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菊池への行き方
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