新幹線を降りた瞬間、空気が違う。 東京でも大阪でもない、独特の匂いがある街。 小倉は、知れば知るほど面白い。 城があって、市場があって、港がある。 そのすべてが、ひとつの街にぎゅっと詰まっている。 観光地然としていないのに、何度でも来たくなる。 そういう街が、北九州だ。
北九州のおすすめスポット
小倉城|天守閣よりも、堀の前で立ち止まった
小倉駅から歩いて10分ほど。
気づいたら目の前にあった。
独特のシルエットをしている。
「唐造り」と呼ばれる、四層目より五層目が大きい構造。
言葉で聞くより、実物のほうがずっと奇妙で、かっこいい。
堀に沿って歩く時間が好きだ。
石垣と水面と天守が一緒に見える場所がある。
そこで30分くらい、ぼんやりしている。
天守閣の中は資料展示が中心。
正直、展示より外の景色のほうが記憶に残っている。
夜、ライトアップされた時間に再訪した。
昼間とはまったく別の顔を見せる。
オレンジに浮かぶ城壁が、堀に映り込んでいた。
それを見るためだけに、もう一度来てもいい。
入場料は大人350円。
安い。それだけでなく、周辺の松本清張記念館も近い。
時間があれば、セットで歩きたい。
旦過市場|昭和のままで、ちゃんと美味しい
「日本最後の闇市」と呼ばれることがある。
それが大げさじゃないくらい、独特の空気が漂っている。
通路が狭い。
荷物があると人とすれ違えない場所もある。
それが逆に、いい。
奥に進むほど、地元の人の比率が高くなる。
観光客向けの顔と、生活市場の顔が混在している。
糠炊きのいわしを200円で買って、その場で食べた。
甘くて、柔らかくて、骨まで食べられる。
あれはスーパーでは絶対に買えない味だ。
ランチは「だるま堂」のぬか炊き定食を選んだ。
並ぶこともあるけど、待つ価値はある。
ご飯のおかわり自由なのもうれしい。
2022年に一部が火災で焼けた。
再建も進んでいるが、まだ工事中の区画もある。
「変わってしまった」と言う人もいる。
それでも、市場の空気はちゃんと残っている。
来るなら早い時間がいい。
午後2時を過ぎると、店が閉まり始める。
門司港レトロ|廃墟寸前だったのに、これほど美しい
小倉駅からJRで約15分。
乗り換えなしで、そのまま行ける。
駅を出た瞬間に時代が変わる。
レンガ造りの建物が、港沿いにそのまま残っている。
この場所、一度は廃れかけた。
昭和の終わりごろ、港の機能が失われ、建物だけが残る。
それを壊すのではなく、残して観光地にした。
その判断が正解だ。
旧門司三井倶楽部の外観を見たとき、少し息を呑んだ。
白と木の組み合わせ、大正時代の洋館建築。
ここにアインシュタインが宿泊したと知って、さらに驚いた。
夕方に来るのがおすすめだ。
関門海峡越しに山口県が見える。
船が通るたびに、波が岸壁に当たる音がする。
バナナのたたき売りは、ここが発祥とされている。
土産屋でバナナスイーツが売られている。
少し食べすぎた。それくらい美味しかった。
夜はライトアップがある。
小倉から日帰りで十分回れる距離だ。