坂の上と坂の下に、武家と商人が向き合って暮らしていた町。 そんな構造の城下町、日本中でここだけだと知ったとき、 行くしかない。 大分県の北東部、国東半島の根元に位置する杵築。 観光地化されすぎていない、ちょうどいい静けさがある。
杵築のおすすめスポット
杵築城|小さくて、潔い。海を睨む白い天守
木造復元天守としては小さい部類に入る。
高さは約18メートル。
それでも、台山の上に立つと妙な存在感がある。
眼下に守江湾が広がる。
晴れた日は光がばらけて、海面がきらきらしている。
この眺めのために登ってきた甲斐があった。
天守内は3層構造で、刀や甲冑の展示がある。
それほど広くないからこそ、じっくり見られる。
混雑知らずで、自分のペースで動ける。
入口から天守まで、石畳の坂を5分ほど歩く。
足元が少し滑りやすいので、スニーカー推奨。
城の下から見上げる白壁も、なかなか絵になる。
勘定場の坂|絵になる、と気づく前に足が止まる
杵築で一番有名な坂がここだ。
両側に白い土塀が続く、緩やかな石畳の坂。
観光客がカメラを構えている理由がすぐわかった。
上から見下ろすと、坂の先に海が見える。
その奥行きが、妙に心地いい。
なんとなく立ち止まって、しばらく眺めている。
名前の由来は江戸時代の藩の財政を担う「勘定場」がそばにあったから。
歴史の話を知ってから歩くと、また違う景色に見えてくる。
朝8時台に歩くと、ほぼ人がいない。
光の角度も柔らかくて、圧倒的に写真が映える。
昼に来ると観光客が増えて、少し慌ただしくなる。
早めに動くのが正解だ。
坂の往復は10分もかからない。
でも、なぜかもう一度登りたくなる場所だ。
大原邸|武家屋敷の「生活感」が、むしろリアル
整然と美しいだけの武家屋敷ではない。
大原邸に入ると、そこにかつて人が住んでいたことが伝わってくる。
屋敷の広さは400坪以上。
主屋、書院、茶室、庭と、見どころが多い。
広い縁側から庭を見ていると、時間の感覚が少しずれる。
受付のスタッフが丁寧に説明してくれた。
「この家で七代続いた家系です」という一言が、妙に刺さった。
七代分の暮らしが、この空間に重なっている。
特に好きだったのが書院の板の間。
磨き込まれた木の床が、鈍く光っている。
誰かが毎日拭いていた時間の積み重なりが、そこにある。
料金は200円で、見学時間は30〜40分ほど。
この内容でこの値段は、正直安すぎる。
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杵築への行き方
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