那覇から車で1時間、安座真港からフェリーで25分。 たったそれだけの距離なのに、降り立った瞬間に空気が変わる。 久高島は「神の島」と呼ばれている。 冗談みたいな話だ。 歩き始めて、すぐに考えが変わった。
久高島のおすすめスポット
イシキ浜|誰もいない浜で、急に黙りたくなった
集落から自転車で10分ほど北上する。
舗装された道が途切れ、砂利道に変わる。
そこを抜けると、突然ひらけた。
イシキ浜。
観光客の姿はない。
白い砂でも、エメラルドの海でもない。
ごつごつした岩礁と、深い青。
リゾートとは真逆の景色。
ここは琉球神話で、神様が乗った船が降り立った浜とされている。
五穀の種が入った壺が流れ着いた、という話も残っている。
正直、最初は「ただの浜じゃないか」。
でも5分、10分と立っていると、何かが違うとわかってくる。
波の音だけが聞こえる。
風が止まらない。
人の声がない。
浜に降りることは禁じられている。
柵の手前から見るだけ。
その「近づけない」感じが、余計にここを遠くさせる。
来てよかったと思うより先に、静かにしなければ。
フボー御嶽|入れない場所に、一番大切なものがある
久高島に来ると決めてから、ここのことは調べている。
琉球王国最高の聖地のひとつ。
かつて12年に一度行われたイザイホーという祭祀の舞台。
到着してわかったのは、境内には入れないということ。
入口に柵があって、「立入禁止」の看板がある。
その先の木々の暗さが、ただごとじゃない雰囲気を作っている。
敷地の外から眺めるだけ。
それだけ。
なのに、足が止まる。
風がごうっと鳴る。
木が揺れる音が、どこか大きく聞こえる。
こういう場所が今も「現役」の聖地として扱われている。
観光地化されていない。
島の人たちが今も守っている。
その事実が、じわじわとくる。
写真を撮ろうとして、なんとなく手が止まった。
撮らない。
その判断は、今も正解だったと思っている。
カベール岬|島の端っこで、沖縄本島が遠く見える
港からレンタサイクルで約30分。
1日500円の自転車が、この島ではなによりの足になる。
カベール岬は島の最北端。
途中、アダンの木が続く砂利道を抜けていく。
タイヤがガタガタ鳴って、何度か降りて歩いた。
それでも来てよかったと思えたのは、着いた瞬間のせい。
岬の先端に立つと、三方が海。
左も右も、正面も、ぜんぶ海。
風が強い。
サンゴ礁の浅瀬が、透明すぎて底まで見えている。
ここはニライカナイ(神様の国)の神が最初に上陸した場所とされている。
神話の舞台と言われても、普段はピンとこない。
でもここだけは、なんとなくわかる気がした。
この場所に降り立ちたくなる気持ちが。
岬で20分ほど、何もせずに立っている。
それが、この旅でいちばんいい時間だっただ。
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