東京から特急で約1時間。 降り立った瞬間、潮の匂いがした。 一宮(東浪見)は、派手さのない海の町だ。 サーファーが早朝から波を読み、神社の杜が静かに風を受けている。 「なにもない」と言う人もいる。 でも、それがいい。 ここには、海と森と空だけがある。
一宮(東浪見)のおすすめスポット
玉前神社|朝の空気は、ここだけ違う
駅から歩いて5分かからない。
それなのに、鳥居をくぐった瞬間に空気が変わった。
玉前神社は、上総国一宮の格式を持つ古社だ。
黒漆塗りの本殿が、朝の光の中でしんと立っている。
派手な装飾はない。
なのに、妙に落ち着かない気持ちになった。
ここは縁結びの神様として知られている。
はだしで玉砂利の上を歩く「はだし参り」を試する。
最初の3歩は「冷たっ」と声が出た。
でも、ゆっくり一周するころには、足裏から地面のざらつきが気持ちよくなっている。
参拝者の数は多くない。
静かに手を合わせられる。
それだけで、来てよかった。
御朱印は500円。
朝8時から受け付けている。
東浪見海岸|サーファーしかいない、あの静けさ
一宮といえばサーフィンの聖地として知られている。
東浪見海岸は、その中でも地元色が強い浜だ。
朝7時に行った。
駐車場に車が数台。
波に向かって走るウェットスーツ姿が数人。
それだけだ。
砂浜を歩くと、足が沈む。
きめ細かくて白い砂ではない。
粗くて、どこか野性的な砂だ。
そのほうが、なんだかリアルな海という感じがした。
波音だけが聞こえる。
スマホをポケットにしまって、ぼーっと海を見ている。
10分くらい経っている。
そんな時間が、ここでは自然に過ごせる。
日差しは強烈だ。
夏は帽子と日焼け止め必須。
自販機は海岸沿いに1台あった。
コンビニは車で5分くらい離れている。
準備してから来たほうがいい。
一宮海水浴場|賑やかな夏、それも悪くない
東浪見海岸から北に少し歩くと、一宮海水浴場に出る。
こちらは夏になるとちゃんと「海水浴場」になる。
海の家が並んで、シャワーがあって、浮き輪を持った家族連れがいる。
東浪見海岸とは全然違う顔だ。
かき氷を頼んだ。
イチゴで400円。
砂浜に座って、溶ける前に食べた。
甘くて、冷たくて、それだけで十分だ。
波は穏やかで、子どもでも安心して入れる高さだ。
水温は8月だと体感で27〜28度くらい。
温かくて気持ちいい。
夕方17時ごろ、人が少し引いたタイミングで浜に戻った。
オレンジ色の光が水面に広がっている。
その景色を見たら、今日ここに来た理由が全部正解だった気がした。