大分の北東、海に突き出た半島の奥に、 国東はある。 仏の里、と呼ばれている。 そう聞いてもピンとこない。 実際に来て、やっと意味がわかった。 山の中に、石の上に、 あちこちに仏がいる。 静かに、何百年も、そこにいる。 観光地というより、まだ生きている聖域だ。
国東のおすすめスポット
両子寺|杉の巨木に圧倒されて、やっと境内に入れる
参道に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
両子寺の参道には、樹齢数百年の杉が並んでいる。
幹が太すぎて、見上げると首が痛くなる。
昼間なのに薄暗い。
そういう道を、5分ほど歩く。
仁王像が参道の途中に立っている。
国東半島最大、と言われているだけあって、
近くで見ると威圧感がすごい。
思わず立ち止まった。
境内は山の斜面に沿って広がっている。
奥の院まで登ると、眼下に半島の山並みが見える。
風が涼しかった。
夏に来たのに、汗が引いていった。
国東六郷満山の総持院として栄えた寺だ。
1300年以上の歴史がある。
でもそういう説明より、
あの杉の参道を歩いた体感の方が、ずっと残っている。
熊野磨崖仏|転がりそうな石段を登った先に、巨大な顔があった
鬼が一夜で積んだ、という伝説の石段がある。
熊野磨崖仏への参道だ。
石がゴロゴロしていて、段差がバラバラで、
正直かなりキツい。
濡れていたらもっと危ない。
滑りにくい靴は必須だ。
10分ほど登って、ふと顔を上げると、
いた。
高さ8メートルの不動明王が、
岩壁にそのまま彫られている。
隣に6.7メートルの大日如来もいる。
スケールが想像と全然違った。
平安時代後期の作とされている。
1000年前の人間が、この岩に向かって、
何を思いながら彫ったのか。
観光客は少ない。
その静けさの中で、ひとりで仏と向き合う時間があった。
それが、いちばんよかった。
富貴寺|朝9時に着いて、正解だ
富貴寺の大堂は、日本最古の木造建築のひとつだ。
そう書くと堅苦しく聞こえるけれど、
実物を見るとただ、美しかった。
9世紀創建。
宇治の平等院と並び称される、九州最古の和様建築。
屋根の曲線が柔らかくて、
まわりの緑に溶け込んでいる。
朝一番に行ったのは正解だ。
10時を過ぎると団体客が来る。
9時台は、ほぼ貸し切りだ。
内部には平安時代の壁画が残っている。
くすんで、かすれている。
でもその色の滲みが、かえってリアルだ。
1000年前の絵師が、確かにここにいた。
拝観料は300円。
時間は30分もあれば十分だ。
でも、その30分が濃かった。
急いで行って、急いで帰るのはもったいない場所だ。
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国東への行き方
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