新幹線を降りると、思ったより静かだ。 博多から16分。 でも久留米には、博多とは違う時間が流れている。 水天宮の石畳、城跡の濠、美術館の静けさ。 九州の人たちがずっと大切にしてきたものが、 ここには残っている。 そして夜は、屋台とラーメンが待っている。
久留米のおすすめスポット
水天宮(久留米)|全国700社の総本宮は、意外と人が少ない
全国にある水天宮の、大元がここだと知ったのは現地に着いてからだ。
鳥居をくぐると空気が変わる。
観光客より参拝客が多い。
それがなんだか、よかった。
筑後川を見下ろす高台に鎮座している。
標高60メートルほど。
川風が境内を通り抜けて、夏でも思ったより涼しかった。
安産・子授けの神様として知られている。
お腹の大きな女性が、静かに手を合わせている。
有名観光地ではないのに、人の祈りの密度が濃い場所だ。
拝殿の奥まで行くと、筑後平野が広がって見える。
その景色に、思わず足が止まった。
参拝は無料。
朝8時から開いているので、ホテルをチェックアウトする前に寄れる。
混まない朝イチがおすすめだ。
久留米城跡|石垣だけが残る場所に、篠山神社がある
天守はない。
建物もほとんど残っていない。
それでも、久留米城跡には来てよかった。
有馬氏の居城として約270年続いた城。
石垣だけが当時のまま残っている。
その石垣の厚みが、尋常じゃない。
実際に触ると、ひんやりして固い。
積み重なった時間を、手のひらで感じる感覚があった。
城跡の中に篠山神社がある。
有馬豊氏を祀った神社だ。
観光スポットというより、地元の人の憩いの場に近い。
犬を連れて散歩している人、ベンチで弁当を食べているサラリーマン。
そういう普通の風景が、城跡と混在している。
濠には鯉がいる。
水が緑がかっていて、独特の色をしている。
入場無料。
敷地は広くないので、30分もあれば一周できる。
石橋美術館と徒歩圏内なので、セットで回るといい。
石橋美術館|久留米出身の画家たちを、久留米で見る理由
青木繁と坂本繁二郎。
久留米が生んだ画家2人の作品が、ここに集まっている。
入館料は430円。
安すぎて、少し申し訳ない気持ちになった。
「海の幸」を初めてまともに見た。
教科書で見たあの絵が、目の前にある。
思ったより小さかった。
そして思ったより、生々しかった。
人物の体の重なりと、魚の光沢。
印刷では絶対に伝わらないものが、そこにあった。
坂本繁二郎の作品は、静かだ。
馬の絵が多い。
色が薄くて、でも深い。
しばらく椅子に座って眺めている。
美術館の外には、石橋文化センターの庭園が広がっている。
無料で入れる。
芝生と池と木々。
美術館を出た後に、ここで30分ぼーっとした。
それが旅の中で一番リセットできた時間だっただ。