鹿児島市内から車で1時間半。 道が細くなるにつれて、空が広くなっていく。 枕崎は、終着点という言葉がよく似合う街だ。 本土最南端の鉄道駅があって、カツオがある。 派手な観光地じゃない。 でも、来た人はなぜかまた来たくなる。 そういう場所だ。
枕崎のおすすめスポット
枕崎港|朝5時、カツオの街が目を覚ます
朝5時に港へ行った。
まだ暗いのに、もう人がいた。
水揚げされたカツオが、次々とセリにかけられていく。
声が飛んで、数字が動いて、魚が消えていく。
あの速さは、見ていて息を呑む。
昼になると、港沿いの食堂が開き始める。
「かつおセンター」でカツオの刺身定食を食べた。
1,200円。
東京で食べるものと、全然違う。
脂じゃなくて、旨みがある。
そういう味だ。
港から見える開聞岳が、ここでは絵みたいに見える。
天気が良ければ、水面に映ることもある。
何も知らずに来て、こんな景色があるとは思わない。
枕崎港は、朝が一番いい。
早起きして、絶対に損はない。
火之神公園|ここにこんな場所があったのか、と思う
正直、期待していない。
公園、という言葉から想像するものとは全然違った。
駐車場から歩いて数分。
突然、海と岩と空だけになる。
高さ30メートルを超える奇岩「立神岩」が、海からそのまま突き出ている。
説明がなくても、ただそこに立つだけで圧倒される。
天気が良かった日、開聞岳がくっきり見える。
薩摩富士と呼ばれているのが、ここから見るとよくわかる。
写真を何十枚と撮ったけど、全部あの感動には届かない。
夕方16時過ぎに行くのがいい。
西日が岩を照らす時間帯、色が全部変わる。
観光客もほとんどいない。
静かで、風が強くて、遠くに漁船が見える。
こういう景色に、人はお金を払えない。
ただ、ここに来るしかない。
薩摩酒造花渡川蒸溜所|焼酎のことを、何も知らなかったと気づく場所
「明治蔵」という名前で知られている蒸溜所だ。
1910年創業、明治時代の蔵がそのまま残っている。
見学は無料で、所要時間は40分ほど。
蒸気が立ち込める仕込み室に入った瞬間、芋の甘い香りに包まれた。
これが焼酎か。
飲んで知るのと、作る場所で知るのとでは、全然違う。
試飲コーナーでは「さつま白波」を飲んだ。
工場でしか買えない原酒が1杯200円で出てくる。
アルコール度数が高いのに、不思議と飲みやすかった。
売店も充実していて、限定ラベルのボトルが並んでいる。
ここでしか買えないものがあると知ったら、手ぶらでは帰れない。
酒が好きじゃない人でも、この空間は面白い。
蔵の古さと、今も動いている現場の熱が混ざっている。
そういう場所だ。