新幹線でも飛行機でもなく、高速バスで丸亀に向かった。 到着したのは朝8時過ぎ。 駅を出ると、すぐそこに城が見える。 こんなにも唐突に、石垣が空に刺さっている。 海の街で、城の街。 うどんだけじゃない丸亀を、歩いて確かめたくなった。
丸亀のおすすめスポット
丸亀城|石垣だけで、もう十分だ
入場料は200円。
安すぎて、思わず財布を確認した。
麓から天守まで、歩いて15分ほど。
急ではないが、石畳がぬれていると滑る。
靴はスニーカー一択だ。
登りながら何度も振り返った。
石垣の積み方が、段によって違う。
時代が違うから、積み方が変わる。
それだけのことなのに、なぜか目が離せない。
天守に入ると、木の階段が急すぎて笑えた。
高さは15メートルほどしかない。
でも窓から見える瀬戸内海は、本物だ。
晴れた日の午前中に来てよかった。
逆光にならず、海まで青く見える。
城下町の屋根が広がって、港が光って、島が浮かんでいる。
この景色のために200円、払う価値がある。
丸亀港|骨付鳥と海風で、昼が長くなる
港に着いたのは11時半ごろ。
ちょうど漁船が戻ってくる時間帯だ。
丸亀の港はこじんまりしている。
観光地っぽさがない。
作業用のクレーンと、猫と、釣り人がいる。
そういう港だ。
港近くの食堂で骨付鳥を頼んだ。
「おや鳥」と「ひな鳥」、どちらにするか聞かれた。
初めてなら「ひな鳥」にしろと地元の人に教わっていたので、迷わずそちらを選んだ。
ひな鳥はやわらかく、スパイスが強い。
鶏の脂と、塩と、黒胡椒が口の中で暴れる。
付け合わせのキャベツに脂をしみこませて食べる。
これが正解らしい。
1本で十分だのに、2本目を頼んでいた。
海を見ながら食べる骨付鳥は、ずるい。
昼ビールを飲んでいる人がいた。
気持ちはわかった。
猪熊弦一郎現代美術館|駅前に、こんな場所があっていいのか
JR丸亀駅を出て、5秒で入口が見える。
この立地が、まず驚きだ。
猪熊弦一郎は、香川出身の洋画家。
知らなくても関係ない。
建物に入った瞬間に、引き込まれる。
設計は谷口吉生。
ガラスと光の使い方が尋常じゃない。
天井が高く、空気が澄んでいる感じがした。
美術館の中なのに、外にいるような錯覚がある。
コレクション展の観覧料は300円。
常設で300円はおかしい。
作品数も密度も、300円の仕事量じゃない。
猪熊の絵は、明るい。
色が踊っている、というより、叫んでいる。
難しいことを考えなくていい。
見ていると、なんだか元気になる。
丸亀を訪れる旅行者の多くが城だけ見て帰る。
もったいない。
城の後にここへ来れば、この街の見え方が変わる。
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丸亀への行き方
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