リアス海岸の入り江に、静かな町がある。 震災から14年。 それでも、というか、だからこそ、南三陸には来る意味がある。 海の匂いと、再建された街の熱と、 人の声が混ざり合う場所。 あの日を知らなくても、知っていても、 ここに来ると何かが変わる気がした。
南三陸のおすすめスポット
さんさん商店街|タコとホタテと、再建した人たちの顔
仮設から始まった商店街が、2017年に本設へ移った。
木造の建物が並ぶ通りは、思ったより小ぢんまりしている。
でも、活気がある。
朝10時過ぎに着いたら、もう行列ができている。
目当ては「南三陸キラキラ丼」。
1,500円前後で、ウニ・イクラ・ホタテが乗ってくる。
ご飯が見えないくらい、盛ってある。
海産物だけじゃない。
地元のおばちゃんが焼く「たこせんべい」は1枚200円。
熱々を頬張ったら、タコの風味がぶわっときた。
お店の人と話すと、震災の話が自然に出てくる。
つらい話なのに、前向きな声で話してくれる。
それが余計に、胸に刺さった。
ここで何かを買うことは、ただの買い物じゃない気がした。
戸倉上山八幡宮|津波が来なかった丘の上で、海を見下ろす
標高は高くない。
それでも、石段を100段ほど上ると、視界が開ける。
鳥居の向こうに志津川湾が広がった瞬間、
足が止まった。
ここは震災当時、避難場所になった場所だ。
丘の上にあったから、津波が届かない。
階段のそばに、当時の水位を示す案内板がある。
読むと、ゾッとする。
境内は静かだ。
参拝者もほとんどいない。
杉の木の間から光が差して、風がひんやりしている。
海が見えるのに、海の音が遠い。
その静けさが、逆に重く感じた。
観光地っぽさは、ほぼゼロ。
だけど、来てよかったと思う場所だ。
手を合わせた。
何を祈ったか、うまく言えないけど、祈った。
志津川湾|牡蠣もタコも、この海から来ている
ラムサール条約に登録されている湾、と聞いても正直ピンとこない。
でも、実際に湾沿いを歩いたら、わかった。
海の色が、違う。
深い緑がかった青で、透明度が高い。
養殖のいかだが点々と浮かんで、カモメが降りたり上がったりしている。
ここで育ったホタテと牡蠣は、全国に出荷される。
さんさん商店街で食べたあの味も、この海から来ている。
夕方16時ごろに行ったら、光がオレンジになっている。
いかだのシルエットが海に映って、
思わずスマホを出した。
遊覧船(大人1,500円・要予約)に乗ると、海の上から湾を一周できる。
風が強くて、顔が塩辛くなった。
それが妙に気持ちよかった。
南三陸の食が美味しい理由を、海が教えてくれる。
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