徳島の南端に、静かな港町がある。 観光地として有名なわけじゃない。 でも一度行くと、また戻りたくなる。 ウミガメが産卵に来る海。 山の上に立つ小さな城。 1200年続くお遍路の空気。 そういうものが、ぜんぶ徒歩圏内に収まっている場所が美波だ。
美波のおすすめスポット
大浜海岸|夜8時、砂浜にウミガメが上がってくる
日本三大産卵地のひとつ、と聞いて来た。
でも昼間に見た大浜は、思ったより静かな普通のビーチだ。
白い砂。青い海。人は少ない。
夜が変える。
6月の夜9時すぎ、監視員の方に声をかけてもらって浜に出た。
懐中電灯は禁止。スマホも出せない。
暗闇の中、目が慣れてくると、砂浜に黒い影が見える。
アカウミガメ。体長80センチくらい。
ゆっくり、本当にゆっくり上陸してくる。
息を飲んだ。
産卵シーズンは5月末〜8月。
ただし上陸があるかどうかはその夜次第で、保証はない。
それでも来る価値はある。
観察会は無料で参加できる日もある。
事前に美波町のHPを確認してから行くほうがいい。
日和佐城|5分で登れる山城に、海が広がっている
正直、期待値は低かった。
再建された小さな城、というのは全国にある。
それでも「せっかくだから」と山道を登ってみた。
5分かからない。
天守閣に上ると、大浜海岸と太平洋が目の前に広がった。
これが来た理由になった、というより来てから気づいた。
360度に広がる景色。
高さは低い分、海が近い。
手が届きそうな距離に青が広がっている。
入場料は200円。
観光客は少なく、貸し切り状態だ。
天守内には郷土資料が展示されている。
そちらよりも、窓の外ばかり見ている。
朝一番、9時に来るのがいい。
光の向きで海の色が変わる。
あの朝の青は、午後には出ない色だ。
薬王寺|108段の階段を、お金を置きながら登る
四国八十八か所の23番札所。
弘法大師ゆかりの寺、という説明は後でいい。
まず階段の話をしたい。
厄坂と呼ばれる石段が3つある。
女厄坂33段、男厄坂42段、還暦厄坂61段。
1段ごとに1円玉を置きながら登る習わしがある。
それを知らずに来て、前を歩くお遍路さんを見て初めて知った。
真似して登ってみた。
1枚置くたびに少し立ち止まる。
気持ちがゆっくりになる。
上からの景色も、大浜海岸が見える。
美波はどこからでも海が見える町だ。
朝7時から開いている。
早朝に白衣を着たお遍路さんと一緒に境内にいる体験は、
パンフレットには載っていない時間だ。
1円玉を50枚くらい用意していくといい。
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美波への行き方
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