山形新幹線を米沢で乗り換えて、さらに南へ。 たどり着く長井は、観光地っぽさがほとんどない。 でも、季節が合えばとんでもない景色に出会える場所だ。 あやめ、白つつじ、そして山の中に割れた岩。 派手さはないのに、なぜかまた来たくなる。 そういう旅先だ。
長井のおすすめスポット
あやめ公園|6月だけ、ここは別の色になる
長井あやめまつりの時期に合わせて行った。
6月中旬から下旬のほんの数週間だけ、公園全体が紫に染まる。
園内には約400万本のあやめが咲くと言われている。
数字で聞いてもピンとこない。
でも実際に立つと、視界に入るものがほとんど紫だ。
朝9時ごろに着いたら、人はまだ少ない。
光が柔らかくて、写真を撮る手が止まらない。
どの品種も似ているようで、全然違う。
青みがかったもの、白いもの、絞り模様のあるもの。
気づいたら1時間以上歩いている。
入場料は大人200円。
これで何時間でもいられる。
コスパという言葉を使いたくなるくらいに、良かった。
まつり期間中は屋台も出る。
芋煮の匂いがそこらじゅうに漂っている。
白つつじ公園|5月のある朝、白に包まれた
「白いつつじ」というだけで、最初はあまり期待していない。
つつじは赤やピンクが普通だから。
でも5月に行って、完全に考えが変わった。
樹齢100年を超える白つつじが、公園の至るところにある。
総株数は約1,400株とのこと。
白い花がこれだけ密集しているのを見たことがない。
曇りの日に行ったのが、結果的に良かった。
白い花が、光に飛ばされずにはっきり見える。
晴れていたら白飛びしていた気がする。
公園内は無料で入れる。
駐車場もある。
地元の人が散歩している。
観光客よりも、生活の一部として使われている感じがした。
長井市の天然記念物に指定されている木もある。
案内板がなければ通り過ぎている。
ゆっくり読みながら歩くと、また違う見え方がした。
りゅうの割石|山の中に、どうしてこれがあるのか
正直、期待値は低かった。
「岩が割れているだけでしょ」。
着くまでが長かった。
駐車場から山道を20〜30分歩く。
舗装はされているが、傾斜がある。
秋に行ったので落ち葉が多くて、滑りそうだ。
見えてきた瞬間、「あ、これは本物だ」。
巨大な岩が、まるで刃物で切ったように縦に割れている。
割れ目の幅は1メートルあるかないか。
高さは10メートル近い。
人為的なものではない。
なのに、あまりにも真っすぐに割れている。
理由を調べてもはっきりしていないらしい。
割れ目の中に入れる。
両側から岩に囲まれて、空が細長く見える。
音が変わる。
静かになる。
周りに誰もいない。
しばらく、割れ目の中に立ったままだ。
こういう場所は、言葉よりも実物だ。