青森市から車で30分。 そこに、静かすぎるくらい静かな町がある。 りんご畑が延々と続いて、空が広い。 観光地っぽさが、ほとんどない。 だからこそ、妙に気になった。 浪岡は、知る人だけが来る場所だ。
浪岡のおすすめスポット
浪岡城跡|草の中に、戦国時代が眠っている
駐車場に車を止めて、歩き始める。
案内板がある。整備された芝がある。
でも人が、誰もいない。
浪岡城は15世紀に北畠氏が築いた城。
1578年に落城するまで、約100年続いた。
その跡が、今も土塁として残っている。
高さ3〜4メートルの土の壁が連なる。
コンクリートじゃない。石垣でもない。
ただの「土」が、500年前の形のまま残っている。
それが、なぜかすごく怖かった。
整備はされているけど、派手さは皆無。
売店もない。自販機もない。
入場料は無料。
だからか、余計に「本物感」がある。
晴れた日は、岩木山が遠くに見える。
その構図だけで、30分は動けなくなる。
りんご畑|10月の浪岡は、赤だらけだ
浪岡はりんごの産地として知られている。
とはいっても、正直なめている。
「畑があるんでしょ」くらいの気持ちで行った。
10月上旬、車で走り始めた瞬間に声が出た。
道の両側、ずっとりんごの木が続く。
赤い実が鈴なりで、枝が地面に向かって垂れている。
量が、想像の3倍くらいあった。
農産物直売所「なみおか夢いちご農園」に立ち寄った。
地元の農家が持ち込んだりんごが箱で並んでいる。
「ふじ」「王林」「こうとく」「北斗」。
品種の多さに戸惑う。
試食させてもらった「こうとく」という品種。
蜜が入りすぎていて、甘さが怖いレベルだ。
1袋5〜6個入りで300円台のものもある。
送料を払って送って正解だ。
りんご畑の中の農道を、ゆっくり歩いてみた。
誰もいない。においがいい。
これだけで来た価値があった。
浪岡ねぷた|小さな祭りの、本気を見た
青森のねぷたといえば、青森市か弘前が有名。
浪岡のねぷたを知っている人は少ない。
正直、地元の人に教えてもらうまで知らない。
毎年8月上旬、浪岡の中心部で行われる。
規模は大きくない。
でも、その分だけ近い。
扇型の大きなねぷたが、ゆっくり動く。
太鼓の音が体に響く。
距離が近いから、絵師の筆使いまで見える。
武将の顔の迫力が、すごかった。
沿道に椅子を並べている地元のおじさんたちが、
「そこ座っていいよ」と声をかけてくれた。
観光客を「見せる相手」ではなく、
「一緒に楽しむ人」として扱ってくれる空気があった。
祭りが終わった後、屋台でいかの串焼きを食べた。
400円。うまかった。
そのまま2時間くらい、その場所にいた。