山に囲まれた盆地の町、沼田。 新幹線を使えば東京から2時間もかからない。 なのに、着いた瞬間に空気が変わる。 夏でも涼しくて、風が違う。 城下町の静けさと、圧倒的な自然が、ここには両方ある。 「なんとなく通り過ぎていた町」が、一度ちゃんと来ると、また来たくなる場所に変わった。
沼田のおすすめスポット
沼田城跡|石垣の上から見えた、360度の山
城跡公園として整備されているが、観光客は少ない。
平日の午前中、ほぼ貸し切り状態。
残っているのは石垣と土塁と、眺めだけ。
天守はもうない。
それでも、石垣の上に立つと息を飲んだ。
利根川と薄根川に挟まれた断崖の上。
眼下に広がる緑と、遠くに見える谷川岳の稜線。
「なんでこんないい場所にあるの」と思わずひとりごちた。
真田氏が治めたこの城、歴史の重さよりも、まず景色で刺さる。
案内板を読み始めたのは、しばらく立ち尽くした後だ。
園内には桜の木が多い。
4月上旬に来ればよかったと、少し後悔した。
入場は無料。
ベンチに座って、コーヒーを飲むだけでも十分来た価値がある。
城跡の隣には沼田市歴史資料館もある。
入館料200円で、真田家の資料が思ったより充実している。
吹割の滝|轟音が先に来て、姿は後からやってくる
駐車場に着いた時点で、もう音がしている。
川沿いの遊歩道を歩き始めて5分。
その音がどんどん大きくなる。
「東洋のナイアガラ」という言葉を事前に見ていたが、正直ちょっと大げさだろう。
完全に間違っている。
川の真ん中に、縦に割れた巨大な岩。
そこに水が吸い込まれていく。
轟音と水しぶきが顔にかかる。
スマホのカメラを向けた瞬間、レンズが曇った。
遊歩道は岩の際ギリギリまで行ける。
柵はあるが、足元は滑る。
白いスニーカーで来たのは失敗だ。
滝の上流には浮島観音や般若岩など、奇岩が続く。
ぐるっと一周して約40分。
急いで回るのはもったいない。
午前中の早い時間が空いていておすすめ。
11時を過ぎると駐車場が混み始めた。
入場は無料だが、駐車料金がかかる。
たんばらラベンダーパーク|標高1,400mの紫は、別世界だ
7月の下旬に行った。
下界は35度。
ゴンドラに乗って山頂に着いたら、22度だ。
視界が開けた瞬間、目の前が紫になっている。
ラベンダー畑が、斜面に沿って広がっている。
写真で見た通りの景色なのに、実際に見ると全然違う。
風が吹くたびに、香りが波みたいに来る。
ただ立っているだけで、頭の中が静かになる感じ。
ゴンドラ乗り場の近くに売店があって、ソフトクリームが並んでいた。
ラベンダーソフト(450円)を食べながら、畑を見下ろす。
甘さが控えめで、後味にハーブが残る。
これを食べるためだけにまた来てもいい。
開園期間は7月上旬〜8月下旬と短い。
ピークは7月中旬〜下旬。
朝イチのゴンドラで上がると、人が少なくて光がきれいだ。
入園料は大人1,000円。
ゴンドラ込みで2,200円。
高いかなと思ったが、全く後悔しない。