宮崎の南端近く、日南海岸から少し山側に入ると、時間の止まったような町が現れる。 飫肥は、江戸時代から変わっていない。 石畳、武家屋敷、苔むした石垣。 観光地化されすぎず、かといって廃れてもいない。 そのぎりぎりのバランスが、ここを特別にしている。
飫肥のおすすめスポット
飫肥城|杉並木の奥に、静かな城跡が待っている
入城料は大人330円。
それだけ払って、石段を上がる。
正直、天守閣はない。
残っているのは石垣と、広大な敷地と、飫肥杉の並木だけだ。
でも、それがいい。
人がほとんどいない。
平日の午前10時ごろ、敷地内に観光客は3〜4人。
静寂の中、杉の香りがただよっている。
本丸跡に立つと、眼下に飫肥の町並みが見える。
あの屋根の連なりを、かつての藩主も見ていたはずだ。
そう思った瞬間、距離が縮まる感じがした。
城跡なのに、妙に落ち着く場所だ。
観光スポットというより、散歩道に近い。
1時間くらいぼーっとしていても、誰にも何も言われない。
そういう自由さが、飫肥城にはある。
旧本丸大手門|復元されたのは昭和53年。それでも重厚だ
飫肥城の正面に立つ大手門。
1978年に復元されたものだが、近づくと圧倒される。
高さは約8メートル。
白漆喰と黒い木材のコントラストが鮮やかだ。
正面から写真を撮ると、どこかの名城のように映る。
門をくぐるとき、思わず背筋が伸びた。
大げさに聞こえるだが、本当にそうなった。
あの構造には、人をそうさせる何かがある。
朝早く来ると、観光客がいない時間帯がある。
だいたい8時台は静かだ。
誰もいない大手門の前に立つのは、かなり贅沢な体験だ。
飫肥に来て、この門を素通りするのはもったいない。
建てられた年代がどうとか関係なく、そこに立つ価値がある。
歴史の重さは、本物かどうかだけで測れない。
そう教えてくれた場所だ。
商人通り|おび天を食べながら、ぶらぶら歩く午後
城から少し下ると、商人通りに出る。
かつて商家が軒を連ねた通りは、今もその面影が残っている。
目当ては「おび天」だ。
豆腐と魚のすり身を混ぜて揚げたもので、1本150円前後。
ほんのり甘くて、もちっとしている。
食べながら歩いた。
通りは長くない。
端から端まで歩いても10分かからない。
でも、ゆっくり見ると倍の時間がかかる。
古い建物の看板、石畳の継ぎ目、路地の奥に見える庭。
細部が面白い。
平日でも、ちらほら人はいた。
地元の人と観光客が混在していて、よそよそしくない。
声をかけると、普通に答えてくれる。
そういう雰囲気の町だ。
夕方になると、光が石畳に斜めに差し込んでくる。
その時間帯が一番きれいだ。
午後3時以降に歩くのをおすすめしたい。
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飫肥への行き方
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