冬の男鹿半島は、どこか怖い。 日本海からの風が、顔を叩く。 それでも来てしまった。 ナマハゲがいるから。 荒波があるから。 なんにもないようで、なにかが濃い。 秋田の奥地まで来たことを、少しも後悔しない。
男鹿のおすすめスポット
ナマハゲ館|鬼に、圧倒された夜のこと
館内に入ると、ずらりと並んでいる。
150体以上のナマハゲ面。
地域によって顔が全然違う。
怒っているやつ、笑っているやつ、目が血走っているやつ。
じっと見ていたら、向こうからも見られている気がした。
奥の映像シアターが本番だ。
実際の「なまはげ行事」の映像が流れる。
男たちが本気で怒鳴り込んでくる。
子どもが泣き叫ぶ。
親が頭を下げる。
これが毎年12月31日の夜に、今でも続いている。
エンタメじゃない。
信仰だ。
その重さに、しばらく席を立てない。
入館料は550円。
隣の「男鹿真山伝承館」では再現公演もある。
料金は別途800円だけど、こっちは絶対に見たほうがいい。
至近距離でナマハゲが怒鳴る。
大人でも怖い。
入道崎|日本海の端っこに、立ちつくした
北緯40度の碑がある。
その先はもう、海しかない。
入道崎の灯台は白と黒のしましま模様。
登れる灯台で、200円払って上まで行く。
らせん階段が急で、息が切れる。
てっぺんに出た瞬間、風でよろめいた。
冬の日本海は、灰色だ。
波の高さが全然違う。
観光シーズンとは別物の景色。
夏に来る人が多いらしいけど、冬に来てよかった。
美しいとか、雄大とか、そういう言葉じゃない。
ただ、すごかった。
崎の手前に並ぶ売店でサザエを食べた。
1個300円。
ほかほかで、磯の香りが強い。
風があまりに強くて、食べながら涙が出た。
寒さのせいだ。
多分。
寒風山|360度、なにもない。それが全部だ
標高355メートル。
低山に分類される。
でも男鹿半島では圧倒的に高い。
山頂の回転展望台に上がる。
ゆっくり一周する間に、日本海、八郎潟、秋田の山々が見える。
よく晴れた日は鳥海山も見える。
この日は雲の切れ間から、かろうじて見える。
火山でできた山だから、山肌がなだらかで丸い。
木もほとんど生えていない。
その分、風の通り道になっている。
コートの裾がずっとはためいている。
展望台の料金は360円。
すぐ隣に無料の見晴らし台もある。
晴れた日の午前中がいちばん光がきれいだ。
駐車場から山頂まで歩いて10分もかからない。
そのわりに、見える景色の広さが尋常じゃない。
コスパ、という言葉を使いたくないけど、確かにそれだ。
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