秋田空港から車で約1時間。 たどり着くのは、日本で唯一の干拓地の村。 大潟村には、余計なものが何もない。 ただ、空と大地だけがある。 そのスケールに、最初は言葉を失った。 東京の喧騒から離れたくて来た旅だったが、 ここは「離れる」どころか、リセットされる場所だ。
大潟村のおすすめスポット
菜の花ロード|4月末、村が丸ごと黄色に染まる
村の中央を貫く一本道。
全長約18km。
その両脇が、菜の花で埋め尽くされる。
4月下旬に訪れたのだが、正直なめている。
「菜の花畑でしょ」と思っていたら、全然違った。
道の端から端まで見渡しても、黄色しかない。
空の青と、地面の黄色だけが存在する世界。
カメラを向けるとフレームに収まらなくて、
途中で撮るのをやめた。
自分の目で見るしかない景色があると知った。
早朝7時ごろがいちばんよかった。
人が少なくて、風もほとんどない。
菜の花の香りが漂って、少し立ち止まった。
見頃は例年4月20日前後から5月上旬。
無料で入れる。駐車スペースも路肩に何カ所かある。
ただしトイレは少ないので、事前に済ませておくこと。
大潟富士|標高0m。それでも「登頂」できる
日本一低い山、と聞いてどう想像するだろう。
標高はマイナス3.776m。
つまり海面より低い土地に、
富士山の標高と同じ3.776mの塚が作られている。
着いてみると、小さなこんもりとした丘。
高さは3.776m。登山道は整備されていて、
1分かからず頂上に立てる。
でも、なぜかそこに立つと妙な達成感があった。
頂上には「標高0m」の杭が立っている。
海面と同じ高さ。
そう思って周囲を見渡すと、不思議な気持ちになる。
くだらないと思って来た。
でも来てよかったと思って帰った。
そういう場所だ。
近くに「大潟村干拓博物館」があり、
ここの干拓の歴史がよくわかる。
入館料は300円。展示が思ったより面白い。
合わせて1時間ほど見ておくといい。
なまはげの里(男鹿市)|夜中に来なくてよかったと思う迫力
大潟村から車で約40分。
男鹿市にある「男鹿真山伝承館」へ向かった。
なまはげは「知っている」つもりだ。
テレビで見たことがある、赤いやつでしょ、と。
完全に違った。
伝承館では、実際のなまはげ行事を再現して見せてくれる。
料金は800円。所要時間は約30分。
暗い部屋に通されて、待っていると、突然ドアが開く。
なまはげが2体、雄叫びを上げながら入ってくる。
大人でも体が固まる。
子どもが泣くのは当然だ。
あれは「怖がらせる」のではなく、
「怠け心を追い払う」ための行事なのだと、
解説を聞いてやっと理解できる。
年に一度、大みそかに各家庭を回るという。
男鹿の人たちにとって、本物の文化がここにある。
「なまはげ館」も隣接している。
150体以上のなまはげが展示されていて、
地域によって顔が全然違う。こちらは入館料550円。