温泉の湯気が街ごと包んでいる。 大分ってそういう場所だ。 ご飯がうまくて、猿がいて、石に仏が刻まれていて。 なんでもあるようで、どこか静かな時間が流れている。 観光地というより、生活の中に歴史が混ざり込んでいる感じ。 それが大分の面白さだ。
大分のおすすめスポット
高崎山自然動物園|1,400頭の野生が、柵の外に群れている
入園料は530円。
それで野生のニホンザルを間近で見られる。
ケージはない。
柵もない。
サルが普通に目の前を歩いてくる。
朝イチに行ったら、群れが山から下りてくる瞬間に立ち会えた。
数百頭がどわっと現れる。
あの迫力はちょっと異常だ。
スタッフがイモを撒くと、サルが一斉に走る。
子ザルが転んで、母ザルに引きずられている。
かわいいとか、そういう話じゃなくて。
もう生き物の密度がすごい。
強いボスザルが決まっていて、群れに序列がある。
それを解説してくれるスタッフがいるんだけど、説明が的確で面白い。
ガイドが当たると全然違う。
別府湾も見える高台にあるので、帰りに景色を眺めながら一息つくのがちょうどいい。
所要時間は1時間もあれば十分だけど、気づいたら2時間いた。
大友氏館跡|戦国大名の記憶が、草むらに埋まっている
正直、行くまで全然期待していない。
「館跡」って、石碑だけじゃないの、。
着いたら、発掘調査が続いている。
庭園の一部が復元されていて、池の輪郭が土の中に残っている。
大友宗麟といえば、戦国時代の九州を制した人物だ。
キリスト教を保護して、府内(今の大分市)を国際都市にした。
その居館がここにあった。
規模を知ると、さすがに感覚が変わる。
推定で東京ドーム約1個分の敷地。
その跡地が、今も普通に街中にある。
案内板が読み応えあって、歴史が苦手な人でも流れがつかめる。
現地スタッフが常駐している日は、直接聞くと教えてくれる。
派手さはない。
けど、ここに立つと「大分が昔どういう街だったか」が少しわかる気がする。
入場無料なので、気軽に寄れるのも良かった。
臼杵磨崖仏|なぜここに彫ったのか、今もわからない
大分市内から車で約40分。
臼杵市にある。
岩に仏が彫ってある。
それだけ聞くと普通に思えるけど、実際に見ると全然違う。
高さ3〜4メートルの岩壁に、びっしりと仏像が並んでいる。
平安時代から鎌倉時代に彫られたものだ。
誰が、なんのために彫ったのか、はっきりしていない部分が多い。
そのわからなさが、むしろ面白い。
石の表面に彫られているから、表情が柔らかい。
怖さがなくて、どこか穏やかな顔をしている。
特に「ホキ石仏第一群」の薬師如来坐像は、顔の細部まで残っていて見応えがある。
国宝指定を受けているのに、観光客が多すぎない。
平日の午前中に行ったら、ほぼ貸し切りだ。
足元が岩場になっているので、歩きやすい靴は必須だ。
入場は540円。
1時間あれば全部回れる。
来てから「もっと早く来ればよかった」と思った場所のひとつだ。