フェリーが港に着いた瞬間、時間の流れが変わった。 信号がない。 コンビニもない。 そのかわり、潮の匂いと静けさがある。 長崎・佐世保から船で約2時間半。 小値賀島は、忘れていた「何もしない贅沢」を思い出させてくれる場所だ。
小値賀島のおすすめスポット
古民家宿ほんまもん|築100年の台所で、朝ごはんを食べた
予約の電話をしたとき、女将さんの声が柔らかくて、もう来た気になった。
実際に着いてみると、黒光りした梁と土間が出迎えてくれた。
築100年超の古民家をそのまま宿にしている。
リノベーションはしてあるけれど、やりすぎていない。
そのバランスが絶妙だ。
1泊2食付きで15,000円前後。
決して安くはないが、納得する。
夕食は地の魚と野菜だけ。
シンプルなのに、箸が止まらない。
朝は6時半に起きて台所に行くと、味噌汁の湯気が立っている。
宿泊者は多くて3組まで。
静かすぎて、最初は落ち着かない。
それくらい、日常の騒音に慣れてしまっている。
2日目の朝には、その静けさが心地よくなっている。
笛吹浜|午前9時、砂浜にいたのは自分だけだ
島の南側にある笛吹浜まで、宿から自転車で15分。
坂を下りきったところで、海が視界いっぱいに広がった。
砂が白い。
水が透明すぎて、底の砂粒まで見える。
9時過ぎに到着したが、誰もいない。
その日も、最後まで誰も来ない。
沖縄や宮古島のようなメジャーな離島とは違う。
ここには、観光客を呼び込もうとする気配がない。
それがかえって、贅沢だ。
波の音だけを聞きながら1時間ぼーっとした。
何も考えない。
スマホも見ない。
そんなことができたのは、久しぶりだ。
水温は8月で28度前後。
透明度は高いが岩場もあるため、マリンシューズがあると安心。
シュノーケルを持っていくと後悔しない。
大島神社|無人島に渡って、鳥居の前に立つ
小値賀島の沖に浮かぶ大島。
無人島だ。
定期船はなく、チャーター船で渡る。
1回3,000円前後が目安で、港で漁師さんに声をかけると相談に乗ってもらえた。
島に上陸すると、人の手が入っていない森がある。
獣道を10分ほど歩くと、突然、鳥居が現れた。
誰もいない島に、ちゃんと神社があった。
大島神社。
鳥居の前に立ったとき、背筋が伸びた。
自然と頭が下がった。
信仰心が厚いほうではないが、あの空気には何かある。
島全体が森と海に覆われていて、写真を撮る気にもなれない。
ただそこにいた。
10分くらい、ぼーっと鳥居を見ている。
帰りの船の中で、「また来よう」。
そういう場所だ。
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小値賀島への行き方
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