瀬戸内の島々の中で、大三島だけが持つ静けさがある。 しまなみ海道を渡ってたどり着く、その島に。 神様の気配と、潮の匂いと、自転車で走る風。 派手さは何もない。 でも、なぜかまた来たくなる。 そういう島だ。
大三島のおすすめスポット
大山祇神社|樹齢2600年の楠の下で、時間の感覚がおかしくなる
鳥居をくぐった瞬間、空気が変わった。
気温が2度くらい下がった気がした。
境内に入ると、とにかく楠が大きい。
樹齢2600年という御神木が、境内の真ん中にどんとある。
幹の太さが尋常じゃない。
両手を広げた大人が何人並んでも届かない。
全国の三島神社の総本社とされていて、平安時代から武士たちが武具を奉納してきた場所だ。
宝物館には、現存する日本の国宝・重要文化財の甲冑の約8割が集まっているという。
展示室に入ると、静寂の中に鎧が並んでいる。
ひとつひとつの細工が細かくて、何時間でも見ていられた。
参拝の後、境内の茶屋で蜜柑ジュースを飲んだ。
200円。
搾りたてで、酸っぱくて、甘くて、それがこの島に合っている。
平日の午前中に行ったら、観光客がほとんどいない。
あの静けさは、また来たいと思わせる種類のものだ。
今治市大三島美術館|こんな場所に、こんな美術館があっていいのか
正直、期待していない。
島の小さな美術館だろう、。
建物に近づいて、驚いた。
瀬戸内海を正面に見た立地で、窓から海がそのまま絵になっている。
展示室の壁に作品があって、窓の外にも「作品」がある。
そういう設計だ。
館内は静かで、スタッフも穏やかで、押しつけがましさがゼロだ。
平山郁夫の作品を中心に収蔵していて、シルクロードを描いた大作が並んでいる。
あの青の深さは、本物を見ないとわからない。
入館料は大人510円。
時間は1時間あれば十分だけど、気づいたら2時間いた。
ミュージアムショップで買ったポストカードは、今も机の上に貼ってある。
美術館の隣に小さな庭があって、そこから海を眺めた。
風がやわらかかった。
島でこういう時間を過ごすのが、旅だと思い出した。
多々羅しまなみ公園|橋の真下で、ただ空を見上げている
多々羅大橋の袂にある公園だ。
自転車で来た。
橋のスケールが、近くで見ると全然違う。
全長1480メートル。
主塔の高さが226メートル。
その真下に立つと、首が痛くなるほど見上げることになる。
「鳴き龍」という現象があると教えてもらった。
主塔の下で手を叩くと、音が反響して独特の余韻が出る。
やってみたら、本当に鳴った。
ひとりで橋の柱に向かって手を叩いている自分が少し可笑しかった。
公園内には芝生広場があって、サイクリストが休憩している。
ここはしまなみ海道の自転車ルートの中間地点に近い。
愛媛側からも広島側からも、ちょうどいい距離感だ。
レンタサイクルは大三島の道の駅「多々羅しまなみ公園」で借りられる。
1日1,200円くらいから。
夕方、橋がオレンジ色に染まっている。
写真を撮ったけど、あの光は写真には収まらない。
そういうものだ。
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大三島への行き方
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