石巻から車を走らせると、 だんだん道が細くなっていく。 コンビニが消えて、信号が消えて、 海の匂いだけが濃くなる。 牡鹿半島はそういう場所だ。 東日本大震災から時間が経ったいまも、 この先端には何かが残っている。 静けさと、海の広さと、人の少なさ。 それを求めて、また来てしまう。
牡鹿半島のおすすめスポット
御番所公園(展望台)|360度、遮るものが何もない
駐車場から展望台まで、歩いて5分ほど。
たいした距離じゃない。
でも、頂上に立った瞬間に息が止まった。
太平洋が、視界いっぱいに広がっている。
右に金華山、左に女川の島々。
晴れた日は遠く牡鹿の灯台まで見える。
標高は100mちょっとしかないのに、
これだけ見渡せるのかと、正直驚いた。
午前中に行くのがいい。
逆光にならないし、空気が澄んでいる。
春先の4月ごろは、足元に菜の花が咲いている。
黄色と青の対比が、妙に鮮やかで。
観光客はほとんどいない。
ベンチに座って、ぼんやり海を見ている。
15分くらい、ただそれだけをした。
それで十分だ。
鮎川港|震災の痕跡と、それでも動いている港
牡鹿半島の先端、鮎川浜に港はある。
かつては捕鯨の基地として栄えた場所だ。
いまはその面影は薄い。
震災で大きなダメージを受けて、
港の形も街並みも変わってしまった。
それでも、朝の鮎川港は静かに動いている。
漁船が出て、カモメが鳴いて、
誰かが黙々と網を直している。
港近くの「コバルトーレ女川」系列の施設ではなく、
地元の小さな食堂でウニ丼を食べた。
値段は2,200円。
高いとは思わない。
それだけの味だ。
ウニは濃くて、甘くて、後味がきれいだ。
磯の匂いが口の中に残る。
港には捕鯨に関する資料館もある。
賛否ある話だけど、歴史として知っておきたかった。
入場料は500円、30分あれば見て回れる。
金華山|フェリーで渡る、神様の島
鮎川港から、フェリーで約25分。
片道1,000円。
それで「島」に渡れる。
金華山は、日本三大弁財天のひとつらしい。
でも、そういう情報より先に、
島に足を踏み入れた瞬間の空気を覚えている。
静かだ。
重くはなくて、ただ、深い静けさがあった。
黄金山神社の参道を歩くと、
鹿がいる。
普通にそのへんにいる。
3頭、すぐそこにいた。
逃げない。じっとこちらを見ている。
奥の院まで登ると片道40分かかる。
体力に自信がなければ、社殿周辺だけでも十分だ。
フェリーの最終便は15:30ごろ(季節によって変わる)。
乗り遅れたら終わりなので、時間には気をつけて。
島には宿もある。
一度、泊まってみたいと思っている。