秋田の奥地に、こんな場所があったのか。 鹿角市大湯、冬の到着は夕方だ。 雪に埋もれた温泉街の灯りが、やけに遠くに見える。 縄文の石が立ち、硫黄の湯が湧き、十和田の湖が静まり返っている。 にぎやかさとは無縁の場所。 それが、この旅の正解だ。
大湯温泉のおすすめスポット
大湯環状列石|4000年前の人間が、ここに集まっている
世界遺産の登録は2021年。
でも、この石たちはずっとここにいた。
約4000年前、縄文人が並べた石の環が、雪の中に静かに残っている。
入口で500円払って、中に入る。
ガイドの説明を聞かなくても、なぜかしんとする。
そういう場所だ。
「万座」と「野中堂」、ふたつの環状列石が並ぶ。
直径約46メートル。
人がここで何かをしていた、その跡だけが残っている。
冬場は雪に半分埋もれている。
それがまた、よかった。
きれいすぎる遺跡より、こっちのほうが本物に見える。
隣の「大湯ストーンサークル館」には出土品が展示されている。
土偶や土器が、ガラスケースの中でじっとしている。
縄文人の顔を想像しながら、30分は過ごした。
大湯温泉街|人が少ない。湯が深い。それだけでいい
温泉街と呼ぶには、静かすぎる。
旅館が数軒、共同浴場がいくつか、小さな商店が並ぶ。
それだけの場所だ。
泊まったのは「湯瀬ホテル」から少し手前の小さな旅館。
1泊2食で1万2000円ほど。
料理は山のもの中心で、きりたんぽ鍋が出た。
うまかった。それだけで十分だ。
共同浴場「大湯温泉 荒瀬共同浴場」は入浴料200円。
地元の人が夕方に集まってくる。
観光客はほぼいない。
泉質は単純硫黄泉。
無色透明だけど、湯の花がふわふわ漂っている。
しっかり温まって、外に出ると雪だ。
その寒暖差が、また気持ちよかった。
夜は温泉街を少し歩いた。
人通りはほとんどない。
静かな分、自分の足音がよく聞こえる。
そういう夜が、たまに必要だ。
十和田湖|冬に来る人は少ない。だから、ここは別の場所になる
大湯温泉から車で約40分。
十和田湖に着いた。
夏は観光客であふれる場所だと聞いた。
冬に来てよかった、と心から思った。
湖畔の駐車場には、ほかに車が3台だけ。
売店は閉まっている。
遊覧船も運休中。
そのかわり、静寂があった。
水面が鈍く光って、向こう岸の山が雪をかぶっている。
誰もいない湖畔に、30分ほど立っている。
何もしていない、その時間が良かった。
湖岸には彫刻家・高村光太郎の「乙女の像」がある。
冬の湖に向かって、ふたりの女性が立っている。
雪の中で見ると、夏とはまるで違う表情だ。
帰り際、湖畔の食堂が一軒だけ開いている。
ひめます定食を頼んだ。1500円。
淡水魚なのに、こんなに旨いのか。
驚いた。
モデルコース
大湯温泉への行き方
HUB CITY
盛岡(拠点都市)から行ける旅先を見る →