高速を降りた瞬間、空が広い。 東京から1時間ちょっとなのに、なぜかもう旅の匂いがする。 佐野は、派手じゃない。 でも来るたびに、何かをちゃんと持って帰れる街だ。 厄を落として、城跡で風に吹かれて、アウトレットで散財する。 そんな欲張りな一日が、ここでは普通に成立する。
佐野のおすすめスポット
佐野厄除大師|朝8時、煙の中で静かに整う
参拝客が来る前の早朝に行った。
8時過ぎ、境内にはまだ人が少ない。
線香の煙が真っ直ぐ空へ伸びている。
ここの正式名は「惣宗官寺」。
関東三大師のひとつで、創建は天慶3年(940年)とされている。
そんな歴史より先に、境内の空気に圧倒された。
本堂に向かって手を合わせると、なぜかすっと肩が下がった。
気のせいだ。
でも確かにそう感じた。
お守りの種類がとにかく多くて、30分近く迷った。
「厄除け」の赤いお守りを選んで、500円。
帰り際に気づいたけど、参道沿いにいもフライの店がもう開いている。
朝9時のいもフライは、罪悪感より旨さが勝った。
唐沢山城跡|登って初めてわかる、難攻不落の意味
「城跡」という言葉に少し甘く見ている。
それが間違いだ。
山頂まで車で上がれるけど、そこからさらに歩く。
足場の石が大きくて、スニーカーで来てよかったと本気で思った。
唐沢山城は、標高240メートル。
15世紀に佐野氏が築いた山城で、上杉謙信が何度攻めても落とせなかったとされる。
実際に登ると、その理由がわかる。
見晴らしがよすぎて、どこから敵が来てもわかる。
本丸跡に立って関東平野を見渡したとき、思わず声が出た。
風が強くて、帽子を押さえながら写真を撮った。
城跡には野良猫が30匹以上いた。
歴史の重さと猫のゆるさが共存している、妙な空間だ。
入場無料なのも驚いた。
この景色がタダでいいのか、と。
佐野プレミアムアウトレット|広さの暴力と、値段の正義
正直、出かける前は「アウトレットはどこも同じ」。
でも佐野のそれは、規模が違った。
約200店舗。
歩いていたら1時間で足が痛くなった。
それくらい広い。
ブランドの並びはコーチ、トリーバーチ、ニューバランスなど。
狙っていたニューバランスのスニーカーが定価1万8000円のところ9800円だ。
3秒で決断した。
平日の午前中に行ったのが正解だ。
混雑が全然違う。
週末は駐車場待ちが1時間以上になることもあるらしい。
フードコートの佐野ラーメンは、700円でちゃんとした一杯だ。
細くて平たい麺に、透き通ったスープ。
旅の締めに食べたら、なぜか急に眠くなった。
そういう旅だ。
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