東京から車で1時間半。 なのに、そこだけ時間の流れが違う。 黒壁の商家が川沿いに並び、石畳を歩けば 江戸の商人町がそのまま残っている。 「小江戸」と呼ばれる町は全国にあるけれど、 佐原はちょっと本気度が違う。 生活の匂いが、ちゃんとする。
佐原のおすすめスポット
佐原の町並み|生活の匂いがする、本物の江戸が残っている
重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。
そう聞いてもピンとこない。
実際に歩いてみて、やっと分かった。
土蔵造りの商家が、今も現役で使われている。
酒屋、醤油屋、佃煮屋。
ショーウィンドウに商品が並んでいる。
博物館じゃなくて、ちゃんと店が開いている。
特に正上の佃煮は明治元年創業。
店先に入ると、甘じょっぱい香りが漂ってくる。
150年以上、この場所でこの匂いがしている。
そう思ったら、足が止まった。
朝9時頃に歩くのがいい。
観光客がまだ少なくて、地元の人が開店準備をしている。
商家の格子窓に朝の光が当たる時間帯が、いちばんきれいだ。
歩いて回れる範囲に見どころが集中しているので、
半日あれば主要な通りはほぼ見て回れる。
伊能忠敬記念館|56歳から始めた男の話が、なぜこんなに刺さるのか
正直、記念館に入るまであまり期待していない。
地図を作った人でしょ、程度の知識しかない。
入館料は550円。
入ってすぐ、実物大の伊能図が広がった。
これを、足で測った。
全部。
17年かけて日本全土を歩いた距離は約4万km。
地球1周分に相当するらしい。
そして彼が測量を始めたのは56歳のとき。
その事実を、館内で静かに突きつけられる。
展示は丁寧で、測量道具の実物も見られる。
江戸時代にこの精度で地図を作ったことが、
見れば見るほど信じられなくなってくる。
所要時間は60〜90分くらいが目安。
じっくり読んでいたらあっという間だ。
隣には伊能忠敬旧宅もある。
こちらは無料で見学できる。
商人として成功を収めた家の規模に、また驚く。
小野川|船から見ると、この町がもっと好きになる
町並みを歩いた後、小野川の遊覧船に乗った。
大人1,000円。所要時間は約30分。
水面から見る景色は、歩いているのと全然違う。
商家の裏側が川に面していて、
荷物を積み下ろしした当時の名残が残っている。
かつては水運で栄えた町だったことが、
川の上に立つと体感としてわかった。
船頭さんが淡々と説明してくれる。
観光ガイドっぽくない、素朴な語り口がいい。
春は桜、夏は緑が濃くなって、
川面に映る景色がそれぞれ全然違うらしい。
行ったのは11月の午後だ。
柳の葉が少し色づいていて、人も少なくて、
静かな川を漂う30分は予想より何倍もよかった。
夕方の便は光の角度が変わって、
水面がオレンジ色に染まり始める。
時間が合うなら、夕方に乗ることをすすめたい。