鬱蒼とした森の中に、巨大な岩が重なり合っている。 風が止んで、鳥の声だけが響く。 ここは沖縄本島南部、琉球王国が最高の聖地と定めた場所だ。 世界遺産の石碑より、最初の一歩を踏み込んだ瞬間の空気が全部を語っている。 観光地というより、場所そのものに力がある。
斎場御嶽のおすすめスポット
三庫理|岩の割れ目の先に、世界が変わる瞬間があった
二枚の巨岩が、ぴたりと寄り添うように立っている。
その隙間は、人ひとりがやっと通れる幅だ。
入口で立ち止まった。
正直、怖かった。
神聖な場所に踏み込んでいいのか、という感覚がある。
覚悟を決めて一歩踏み出すと、空気が変わった。
体感温度がすっと下がって、湿度が上がった気がした。
岩の隙間を抜けた先は、小さな空間になっている。
空を見上げると、岩と岩の間から細長く青が見える。
ここが琉球王国の最高神職「聞得大君」が儀礼を行った場所だ。
700年以上前から変わっていない景色がある。
三脚は禁止、大声も出せない。
そういうルールが必要な理由を、来てみてやっと理解した。
久高島遥拝所|海の向こうに「神の島」が見える
森を抜けると、突然視界が開けた。
目の前に、青い海が広がった。
その先に、細長い島影が浮かんでいる。
久高島だ。
琉球神話でアマミキヨが降り立ったとされる「神の島」が、海の向こうにはっきりと見える。
距離にして約5キロ。
肉眼で確認できる。
ここに立った琉球の人たちは、毎日この島を眺めていたんだろう。
信仰と生活が地続きだった時代の感覚が、少しだけわかった気がした。
訪れたのは午前10時ごろだ。
光が海面に反射して、島の輪郭がきらきらしている。
晴れた日の午前中に来ることを強くすすめる。
逆光になる午後は、島影がぼやけて見える。
5分も立ち尽くしている。
それだけの景色がある。
大庫理|最初の「場」で、足が止まった
入場してすぐ、石畳の参道が続く。
苔むした岩肌、木の根、薄暗い森。
しばらく歩くと、最初の広場に出た。
そこが大庫理だ。
岩が迫り出すように張り出していて、天然の屋根のような形をしている。
琉球王府の行事でも使われた場所だ。
「おあさ」と呼ばれる儀礼が行われていたと説明板に書いてあった。
雨が降っていたのに、岩の下だけは濡れていない。
数百年前から人が雨宿りできる場所として機能してきたんだら、急に身近な感じがした。
足元の石畳は、歩きやすいとは言えない。
ヒールや革靴は絶対にNG。
スポーツサンダルでも微妙だ。
トレッキングシューズかスニーカーで来るべきだ。
全体を歩いて約40分。
急ぎ足ではもったいない場所だ。
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