フェリーを降りた瞬間、静かすぎて耳が遠くなったか。 人口は10人台。 でも島は生きている。 マーガレットが咲いて、猫が昼寝して、おじいさんが釣り糸を垂らしている。 志々島は、観光地じゃない。 ただそこに、時間が流れている島だ。
志々島のおすすめスポット
マーガレットの大木|幹が太すぎて、最初は木だと気づかない
樹齢100年超のマーガレット。
本州では見かけない光景だ。
普通、マーガレットは膝丈の草花だ。
なのに目の前の木は、幹回りが1メートル近くある。
白い花が、びっしり上まで咲いている。
2月から3月が見頃で、島全体がふんわり白くなる。
港から歩いて10分ほど。
案内板はあるが、道は細い。
草をかき分けながら進む場面もある。
たどり着いたとき、声が出ない。
花の量が、想像の3倍だ。
一本の木に、こんな数の花がつくのか。
しばらく動けない。
地元のおばあさんに聞いたら「毎年咲くよ」とさらりと言っている。
当たり前のように言うのがよかった。
ここでは奇跡が日常なのだ。
見晴らし台|汗をかいた先に、瀬戸内の全部があった
島の最高地点は標高108メートル。
低いと思って舐めてかかった。
道は急で、草が茂っていて、サンダルでは来てはいけない場所だ。
港から40分かかった。
夏だったら確実に倒れている。
2月でも汗をかいた。
頂上に着いたとき、風がきた。
視界が一気に開けた。
燧灘と粟島、遠くに四国本土の山並み。
空と海の境目が、どこかわからない。
島の人は誰もいない。
観光客も自分だけだ。
この景色を独り占めした。
それが少し申し訳なくて、少しうれしかった。
帰りは別ルートで下りた。
廃屋の横を通る。
かつて人がいた痕跡がある。
島の盛衰みたいなものを、足で感じた。
港の集落|10人しか住んでいない島に、生活があった
フェリーが着く港の周りに、集落がある。
島の人口は現在10数名。
でも廃村じゃない。
洗濯物が干してあった。
鉢植えに水がやられている。
誰かが今日も生きている島だ。
港に小さな売店がある。
島のおばあさんが営む。
みかんジュース200円を買った。
絞りたてではないが、やさしい味だ。
猫が多い。
数えたら7匹いた。
人を怖がらない。
日向で伸びたまま、こちらをちらりと見た。
フェリーの時間まで1時間あった。
何もしない。
ベンチに座って海を見ている。
それだけでよかった。
帰りのフェリーで振り返ると、島がどんどん小さくなった。
次は泊まろう。
民宿はないが、キャンプ場がある。
夜の静けさは、たぶん今まで体験したことがないはずだ。
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志々島への行き方
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