東京から車で2時間半。 そこにこんな場所があったのか。 塩原温泉は、渓谷の底に温泉街が張り付くように広がっている。 紅葉の季節、霧の朝、雪が積もった夜。 どの季節に来ても、箒川の水音が変わらずそこにある。 なんとなく通り過ぎていた栃木の山奥に、ずっと来たかった場所があった。
塩原温泉のおすすめスポット
塩原温泉渓谷|湯けむりが、谷底から立ち上る
渓谷に降りる遊歩道は、思っていたより急だ。
足元に気をつけながら下りていくと、急に視界が開ける。
箒川の両岸に、岩肌がむき出しになった崖が迫ってくる。
高さは40メートル近い。
秋には、その崖一面がオレンジと赤に染まる。
息を吸うと、硫黄のにおいがかすかにした。
ここはまだ温泉地なんだと、改めて思い出す瞬間だ。
遊歩道は片道30分ほど歩ける。
観光客が少ない早朝7時台に来るのがいい。
人がいない渓谷に、水音だけが響いている。
紅葉のピークは例年10月下旬から11月上旬。
混み合う週末を外して、平日に来てよかった。
足腰に自信がない場合は、遊歩道の入口付近から眺めるだけでも十分に迫力がある。
もみじ谷大吊橋|足元が透けて見える、あの感覚
全長320メートル。
歩いて渡れる無補剛桁吊橋としては、完成当時日本最長だったと看板に書いてあった。
橋の中央まで来ると、足元の格子越しに川が見える。
高さは約40メートル。
怖いのに、目が離せない。
一緒に来た友人は橋の手前で動かなくなった。
橋自体は弾むように揺れる。
その揺れが、意外と怖い。
渡り切った先は小高い展望台になっていて、橋全体と渓谷を見渡せる。
ここからの景色が本番だ。
紅葉の時期は橋の両側が燃えるように赤くなる。
写真を撮るなら午前中の光が入る時間帯がいい。
無料期間もあるが、通常は大人300円。
300円でこれが見られるなら、何も言えない。
駐車場は普通車500円。
週末は9時台でも並び始めるので、開園直後の8時30分を狙って来た。
箒川|温泉宿の夜に、川音が聞こえている
塩原温泉の温泉街を貫くように、箒川が流れている。
川幅は広くない。
でも水が澄んでいて、底の石の色まで見える。
宿にチェックインして、夜に川沿いを歩いた。
街灯が少ない。
川の音だけが聞こえる夜だ。
冬に来ると、川に雪が積もった岩が白く光って見える。
夏でも水は冷たい。
上流で釣りをしている地元の人が何人かいた。
観光客がいなくなった夕方5時すぎの川沿いは、ほとんど地元の空気だ。
温泉から上がった後、浴衣で散歩するのがいい。
川沿いの遊歩道は整備されていて、夜でも歩ける。
水の音を聞きながら、なんとなく時間を過ごす。
そういう夜が、旅の中で一番記憶に残ったりする。
塩原に来たら、昼だけでなく必ず夜も川に出てほしい。
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塩原温泉への行き方
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