新幹線を降りると、空気が変わった。 仙台から20分なのに、ここは静かだ。 城下町の骨格が、今もそのまま残っている。 白石は、派手さがない。 でもそこが、かえって良かった。 歴史の匂いを、誰にも邪魔されずに嗅げる町。
白石のおすすめスポット
白石城|天守に上がると、なぜか泣きそうになった
入場料320円。
この値段で、あの景色が買える。
白石城は1995年に復元された木造天守だ。
コンクリートではなく、木。
階段を踏むたびに軋む音がする。
その音が、いい。
三階まで上がると、白石の町が一望できる。
山に囲まれた盆地。
田んぼと屋根と、遠くの稜線。
派手な観光地ではないから、余計なものが何もない。
ここを守った片倉小十郎の話を思い出した。
関ヶ原のあと、徳川に領地を減らされながらも
この城を守り続けた武将。
天守の柱に手を当てると、少しひんやりしている。
400年分の冬を吸っているみたいだ。
下りる足が、なんとなく遅くなった。
武家屋敷(旧小関家)|生活の痕跡が、そのまま残っている
白石城のすぐ下に、武家屋敷がある。
旧小関家。
中級武士の屋敷だ。
入ると、土間がある。
囲炉裏がある。
縁側がある。
ただ、それだけのことなのに、長居してしまった。
展示というより、「家」として残っている感じがした。
誰かがここで飯を炊いて、刀を手入れして、
朝になったら門を開けた。
その日常が、空気の中にある。
庭に出ると、小さな石灯籠が立っている。
苔が生えていて、傾いている。
補修されていない、あの傾きが正直だ。
観光客は、平日の午後に3人しかいない。
静かすぎるくらい静かで、
それがちょうど良かった。
入場料200円。
こういう場所に、もっとお金を払いたい。
白石温麺|細くて短い。でも、これがうまい
白石温麺(うーめん)を知らずに来た。
正直に言う。
長さ9センチの短いそうめん。
油を使わずに作る、白石の伝統麺だ。
江戸時代から400年続いているらしい。
駅近くの老舗で、温かい汁で食べた。
あっさりした鶏だしに、細い麺。
最初の一口で、なんだこれ。
あっさりしているのに、もの足りなくない。
するすると入って、気づいたら完食している。
値段は800円前後。
胃に優しい食べ物だから、
城と武家屋敷を歩いた後の昼に最高だ。
乾麺のお土産も買った。
5束入りで400円くらい。
帰ってから作ったら、旅の味がした。
白石に来たら、これは外せない。