徳島の最南端、高知との県境に近い小さな港町。 宍喰(ししくい)という地名を、知っている人はまだ少ない。 でも一度行ったら、なぜかまた戻りたくなる。 派手な観光地じゃない。 ただ、海があって、川があって、温泉があって、漁師がいる。 それだけのことなのに、妙に心に刺さる場所だ。
宍喰のおすすめスポット
宍喰漁港|朝6時、魚の声で目が覚める
朝5時半に宿を出た。
漁港には、もう人がいた。
水揚げされたばかりのカツオが、バケツからはみ出している。
値段交渉しているのか怒鳴り合っているのか、よくわからない声が飛び交っている。
観光客向けの市場じゃない。
地元の漁師が普通に働いている、生きた港だ。
カメラを向けたら「撮っていいよ」と笑ってくれたおじさんが、
その場でシラスを一袋くれた。
500円も出さずに袋いっぱい。
漁港の端に小さな直売所がある。
朝8時ごろには売り切れるものもある。
早起きしないと、何も残っていない。
それがこの港のルールだ。
太平洋に向いた堤防の先に立つと、風が強くて目が開けられない。
こんな海で毎日働いているのか、と思ったら少し黙ってしまった。
宍喰温泉|海を見ながら、ぼーっとする時間
宍喰温泉は、漁港から歩いて15分ほどのところにある。
ホテルリビエラししくいの温泉が、日帰りでも入れる。
料金は700円。
タオルは別売りで100円だ。
内湯よりも露天風呂が目的だ。
お湯につかりながら太平洋が見える。
これだけでもう、来た甲斐がある。
ナトリウム炭酸水素塩泉で、肌がすべすべになる。
そういう謳い文句はよく聞くけれど、
上がった後、腕の感触が確かに違った。
平日の昼間に行ったら、地元のおじいさんが2人いるだけだ。
静かすぎて、波の音が露天から聞こえる。
30分のつもりが1時間いた。
夕方の時間帯は日没と重なると、海が茜色に染まるらしい。
次に来るときは夕方に入ろうと決めた。
海部川|日本有数の清流は、本当に透き通っている
海部川は、四万十川より知名度は低い。
でも水質は、全国トップクラスの清流だ。
実際に川岸に降りて、手を入れた。
冷たくて、底の石まで全部見える。
夏なら確実に飛び込んでいた。
川沿いの道を車で走ると、何度もため息が出た。
山の緑と川の青が混ざって、色の種類が多すぎる。
カヌーツアーが地元の業者で体験できる。
半日コースで5,000円前後が相場だ。
予約は1週間前までが安心だ。
海部川は最終的に太平洋に注ぐ。
河口付近まで行くと、川と海の境目がぼやけている場所がある。
ここが河口か、もう海なのか。
その曖昧さが妙に好きだ。
梅雨明けから9月末まで、川遊びの人たちが来る。
でも混んでいる、という感覚は一切ない。
このゆるさが宍喰だ。
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宍喰への行き方
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